内容説明
北緯59度から83度、大部分が北極圏に位置し、面積は日本の約6倍、エスキモーとスカンディナヴィアの人たちとの合流の地であるグリーンランドは、同じ遺伝子ルーツを持つアラスカ、カナダのエスキモーに比して、西(エスキモー)と東(非エスキモー)の世界観とが釣り合いを保ちながら混淆していると評される。人類学、政治学、歴史学、宗教学、文学など人文社会科学の知見を持ち寄って、その混淆の輪郭をたどり、この世界最大の島における人間の営みを多角的に描き出す、日本で初めての論集。
目次
序章 なぜグリーンランドを論じるのか
第1章 節合×分節 エスキモー社会をめぐるまなざし
第2章 イヌイット×ノース人 中世における異文化接触とレジリエンス
第3章 貿易×交接 グリーンランド貿易の成立とイヌイット社会
第4章 魂×神 キリスト教宣教と伝統の改変
第5章 時間×空間 文化へのタイム・トラベル
第6章 民族誌×植民地主義 「穏健な支配」と儀礼の衰退
第7章 国家×共同体 デンマーク国家のゆくえ
第8章 セドナ×人魚姫 先住民表象の解体と人魚文学研究
終章 これまでとこれからのグリーンランド
著者等紹介
高橋美野梨[タカハシミノリ]
1982年山梨県生まれ。北海学園大学准教授。専門は国際関係学、デンマーク・グリーンランドを中心とした北極政治。2012年筑波大学大学院人文社会科学研究科一貫制博士課程修了。博士(国際政治経済学)。著書に『自己決定権をめぐる政治学―デンマーク領グリーンランドにおける「対外的自治」』(明石書店、2013、第4回地域研究コンソーシアム賞登竜賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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榊原 香織
びっぐすとん