内容説明
喜びも悲しみもすべて託して歌われる“子守唄”は、世界じゅうどこにでもある。英国、オランダ、スペイン、フィンランド、ウクライナ、トルコ、シリア、アフガニスタン、中国、韓国、インドネシア、ソロモン諸島、グアテマラ、ナイジェリア…それぞれの社会や文化、歴史が刻み込まれ、そして普遍性をもあわせもつ子守唄の世界を、自分で口ずさめる楽譜と、豊富な図版で味わう。
目次
旅のはじまり―子守唄の原像をたずねて
英国スコットランド その一―ブレッセイ島の魔除けの子守唄
エストニア―眠りの精の子守唄
フィンランド―「カレワラ」の中の子守唄
オランダ―アンネ・フランクが聞いた子守唄?
英国スコットランド その二―戦争未亡人の子守唄
韓国 その一―「故郷の春」
韓国 その二―「ワンワン 犬よ」
韓国 その三―「たべてねて たべてあそんで」
中国 その一―十九世紀末の中国の子守唄
中国 その二―中国人留学生から聞いた子守唄
トルコ―東西文明の結び目
アイヌ―アニミズム的な宇宙観
英国スコットランド その三―スカイ島の子守唄
英国北アイルランド―「ロンドンデリーの歌」から「ダニーボーイ」へ
スペイン―多文化共生社会の子守唄
インドネシア その一―「ゆらゆらゆれて」
インドネシア その二―「ニナちゃん ねんねしな」
シリア その一―「愛する人を私のもとへ」
シリア その二―「アンズの実を摘もう」
アイスランド その一―「おやすみ 愛するわが子よ」
アイスランド その二―「妖精エルフの子守唄」他
ソロモン諸島―すべての御霊の守り唄
スロヴァキア―「私にそっと弾いて」
ウクライナ―自由と優しき国民性
アフガニスタン―中村哲さんも聞いた?子守唄
グアテマラ―環太平洋人の血が騒ぐ
ナイジェリア―太鼓の音にこめられたメッセージ
沖縄―苦難の歴史のなかで
旅のおわりに―人はなぜ子守唄を歌うのか
著者等紹介
鵜野祐介[ウノユウスケ]
1961年岡山県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。2004年英国エディンバラ大学にて博士号(Ph.D、人文学)取得。専門は伝承児童文学の教育人類学的研究。日本、韓国、中国、英国スコットランドを主なフィールドとして、子ども期の伝承文化(遊び・子守唄・わらべうた・民間説話など)や児童文学・児童文化が人間形成に及ぼす影響について研究。鳥取女子短期大学、梅花女子大学を経て、立命館大学文学部教授。アジア民間説話学会日本支部代表、子守唄・わらべうた学会代表、「うたとかたりのネットワーク(うたかたネット)」を主宰し、うたやかたりの実践・普及活動のネットワーク作りを進める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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