感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クジラ
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本書では、歴史を振り返ったうえでの重要なポイントとして「多くの富裕層の出現」「出生率の低下と長寿命化・高齢化」「教育水準のアップ」「女性の教育面での台頭」「宗教問題」「従来型婚姻モデルの崩壊」といった諸課題を挙げ、正面から分析に取り組んでいる。トッド氏は、人間の行動を左右する要素として「経済は意識レベル」「教育は下意識レベル」「家族と宗教は無意識レベル」と分類している。こうした整理に基づき、現在社会の複雑な状況の解明に挑むものの、単純なものではないという。本書はトッド氏理論の集大成ともいうべき大著である。2023/06/28
Oki
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確かにロシアや北朝鮮は、軍事力・武装を専門領域にしたが、それは人類全体に取って大いなる災い(リスク)ではないのか。 ドイツや日本が通商に専門化したのとは次元の違う害悪を世界にまき散らすのではないか。トッドにはこの感覚は全くないようだが。 またプーチンは人類学的基底に則った国民の統合に成功した...というのはちょっと違うような。 化石資源頼みの泥棒政治国家独裁者が原油価格の高騰に助けられた...という方が大きいような。2023/06/01