内容説明
岸田政権の「新しい資本主義」ビジョンに触発され、「めざすべき経済社会とは何か」(前編)と、「資本主義はどういう仕組みで変化するのか」(後編)を分析、「市民社会」と「ゆたかな生(ウェルビーイング)」をキーワードに、来るべき新しい社会の構築を企図する渾身作!
目次
序説 「ゆたかな生」をめざして
前編 市民社会とウェルビーイング(人間‐自然の物質代謝と市民社会―内田義彦の視座;見えざる手からあやつる手へ―内田義彦とS.ボウルズ;「新しい資本主義」を新しくする―岸田ビジョンを超えて;ウェルビーイング主導の人間形成型社会―R.ボワイエのパンデミック論から)
後編 資本主義のレギュラシオン理論(レギュラシオン理論とは何か;資本主義をどう調整するか;社会主義から国家資本主義へ;制度の内部代謝とレジーム危機)
著者等紹介
山田鋭夫[ヤマダトシオ]
1942年愛知県生。1969年名古屋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学名誉教授。専攻は理論経済学・現代資本主義論・市民社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
43
Amazonから安く調達。市民社会は戦中期日本に登場し、独自日本的な含意(太字)をもって展開(17頁)。ゆたかな生=ウェルビーイングを構想(21頁)。この間読んだマンデビル『蜂の寓話』もある(89頁)。山田先生は、岸田ビジョンの図式を試みている(105頁)。だが、阻害要因✖が多く(111頁)、非現実的かもしれない。山田先生は資本主義の展開理論を研究しているので、人間形成型の発展様式をどう見いだすか(124頁)で苦悶が見て取れる。OECDのBLIという指標もある(142頁)。2022/08/17