感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
39
無政府主義から古典的自由主義まであるリバタリアンの違いを座談会によって明らかにする本である。先日グローバル・ダイニングがコロナの影響で営業権を侵害されたと訴えた裁判で東京都に違法性があったとの判決があったが、人間にとって「財産権」は神聖不可侵の権利であるとするのがリバタリアンの見解である。科学的根拠のない「営業権」の侵害はもちろん、課税すら「財産権」の侵害であるとの見解は新鮮だったが、共感できた。これまで議論されることが少なかった印象のあるリバタリアンの考え方を学ぶきっかけになったのはよかったと思う。2022/05/25
ステビア
19
FREEDOM, NOT TAXES2022/02/20
軍縮地球市民shinshin
14
憲政史研究者の倉山満氏が中心となって設立した「救国シンクタンク」で討議したリバタリアニズムについての座談会。藤原書店の藤原社長まで参加している。リバタリアニズムは日本語での訳を「自立主義」と訳している。政府に頼らない・自分の財産は自分で守るを信条とする思想で、基本的に政府を頼らない・信用しないことを大前提としている。だから社会福祉も含めて政府に依存しないという。究極的に突き詰めるとアナーキズムになってしまうが、そこまでは想定していないようだ。国家と政府は別で、政府は統治主体にしか過ぎないと見なしている。2023/07/21
しろくまZ
10
座談会形式によるリバタリアン入門。全ての基礎は財産権にあるという考え方に深く納得させられる一方で、バーキアンと比較すると原理主義的過ぎる印象も受ける。2023/03/29
アミアンの和約
9
本書は、保守かリベラルかしか知らない人たちに贈る”新たな選択肢”である。 例えば戦後の言論空間に巣食ってきたいわゆる「ウヨサヨ論争」は結局のところどちらも「政府に自分の主張をいかに実現してもらうか」がゴールであり、とどのつまり政府を大きくし、依存するのが前提であった。 そうではなく、そもそも政府に依存して何かしてもらうのをやめて自分の足で立てるようにしましょう、というのが趣旨である。 政府はどこまで大きくなるべきか、というのは古くからある議論だが、それに新たな視点を投じたという意味で、良書であると言える2022/03/18