感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
39
鍾南山(中華医学会会長)こそ武漢ロックダウンを政府に進言したという(26頁)。日本の鍾は居るのか? 感染の広がりは病原体の量に依存(46頁~)。夏は重症化率が落ちる(88頁)とはいえ、事態は変わり、変異株によって、子どもも亡くなるケースが出て来た。昨年10月発刊なので、常に最新の知識を得ていく必要を感じる。院内感染(188頁)については、沖縄でクラスターが発生、かなり亡くなってしまったのは記憶に新しい。防ぐ手立てがあればいいのだが。2021/09/20
ニョンブーチョッパー
12
★★★★★ 名著。コロナや感染症関連本を何冊か読んでいるが本書は外せない。タイトルの通り「正しく恐れる」必要があり、引用されている寺田寅彦氏の「もの怖がりすぎたり、怖がらなすぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむづかしい」がまったくその通りでぐうの音も出ない。PCR検査の欠点を知らずにただ検査数を増やせという意見を始め、世の中に流布している中で正しくない情報を一刀両断してくれる。原因が「空気感染」ではないかということは何度も書かれており、そのことが大きく報道されないのは不思議で仕方がない。2021/01/06
きゃれら
7
著者は呼吸器系ウイルス感染症の専門家で、ダイヤモンドプリンス号にも乗り込んだ人。この本で語られていることは信用できると思う。新型コロナの感染は主に空気感染によるものではないかというのは、これまでの事実を振り返ると納得せざるを得ない。だからと言って、過度に恐れる必要はないとのこと。「接触感染」が起きるのは細菌による感染症の場合で、ウイルス感染症ではほとんどありえない。「可能性があるというのは誰でも言える、確率を語らなければ専門家ではない。」なるほど。巻末の「意味のない対策リスト」は必読。2021/02/24
あんさん
5
記者によるウイルス研究専門家へのインタビュー。とても理性的に語られている印象。医療リソースを把握し補充ながら臨機応変な判断が必要。遺体は呼吸しないのでウイルスを排出はしない。 「このウイルスについておおよそのことがわかってきたときに、あとは自分で考え行動できるような人間であるべき。やり過ぎに対する健全なる懐疑心を働かせることを含めてです。子どもたちもそういう風に育てなくてはいけない。」「実際に戦っているのはウイルスではなく、人間の弱さとかそういうものと戦っているわけです。」 2020/12/20
takao
4
☆空気感染。記録を残す。2021/05/13