内容説明
真に「書くべき程の事」を書き留めた詩的批評文集。孤高の基督者・内村鑑三、宗教哲学者・波多野精一ら、近代日本において信仰の本質を看取した存在を通して、“絶対なるもの”に貫かれる経験を批評の軸としてきた新保祐司。すべてを“人間”の水準へと「水平」化し尽くす近代という運動の終焉を目の当たりにして、「上」からの光に照らして見出された文学・思想・音楽の手応えを簡明かつ鮮烈に素描した、珠玉の批評を集成。
目次
第1部 見るべき程の事は見つ―平知盛(なにかある。本当になにかがそこにある。;シャルトル大聖堂の上空から切り取られた青空;エズのニーチェの道で拾った小石 ほか)
第2部 北の国のスケッチ(空知川の川音;にしん漬;いではみちの奥見にまからん ほか)
第3部 楽興の詩情(音楽のために狂える者―クナッパーツブッシュと内村鑑三;エクセントリックということ―クナッパーツブッシュのブルックナー;カリスマ性にみる名演奏家像―音楽における宗教的なるもの ほか)
著者等紹介
新保祐司[シンポユウジ]
1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。2007年、第8回正論新風賞、2017年、第33回正論大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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