出版社内容情報
ヴォヴェルの代表的大作、完訳! 人間は死とどう向き合ってきたか? 心性の歴史家、プロヴァンスの革命史家ヴォヴェル(1933-2018)の主著であり、「死の歴史」の到達点が、遂に完訳! 人は必ず死ぬ。生きている人間は、死をどう考え、死後の時間をどう想像し、死者とどう向き合い、死に向かう自己としてどういう行動をとってきたか。宗教、哲学、文学、科学の文献を渉猟、また文献のみならず絵画、彫刻、建築に至る膨大な資料をもとに、中世から現代までの西欧世界(さらに新大陸に及ぶ西洋世界)を展望する。
ミシェル・ヴォヴェル[ミシェルヴォヴェル]
著・文・その他
立川孝一[タチカワコウイチ]
翻訳
瓜生洋一[ウリュウヨウイチ]
翻訳
内容説明
膨大な資料から、中世~現代の西欧世界における“死”を展望!アナールの「死の歴史」の到達点、遂に完結!「『死を前にした時、人はごまかしをしない』とヴォヴェルは言う。これは、『なぜ死の歴史に惹かれるのか』というインタビューの質問に対する答である。『死の歴史』は、彼にとって、心性の歴史の中でも最もごまかしのない、赤裸々な真実が語られる場なのであろう。」下巻は18世紀~現代まで。第55回日本翻訳出版文化賞受賞。
目次
第五部 啓蒙の世紀―問い直される死(第22章 死は変わったか?;第23章 問い直される死(1)―教会の敗走
第24章 問い直される死(2)―死のもうひとつの言説
第25章 実践における死の変容
第26章 死の新たな技法?
第27章 死者の地位の変化
第28章 理性の眠り
第29章 フランス革命から秩序への回帰へ)
第六部 安心と不安―19世紀におけるブルジョワの死(第30章 死に対する戦いに一九世紀は勝利したか?;第31章 教会による独占の終焉;第32章 最終的妥協―民衆宗教のキリスト教化;第33章 不安から安心へ;第34章 家族の輪;第35章 墓地から記念碑へ;第36章 「ベル・エポック」の裏側)
第七部 現代の死(第37章 勝利と不安;第38章 「タブー」の標識;第39章 人間の死と神の死;第40章 叫びと囁き;第41章 死の再発見(一九六五―一九八〇年))