出版社内容情報
昭和十二年から“世界史”を問い直す!
昭和12年(1937年)――
盧溝橋事件、通州事件、上海事変、正定事件、南京事件が起き、支那事変(日中戦争)が始まった、日本にとって運命の年である。
この前後の年を“切り口”に、常識とされているあらゆるものを見直したい。
第二次世界大戦を目前に控えたこの時代、この昭和12年(1937年)という年を、改めて世界史の中で俯瞰し、専門領域を超えた研究者たちと交流する中で、歴史の真実を追究していきたいと思う。
宮脇 淳子[ミヤワキジュンコ]
著・文・その他
倉山 満[クラヤマミツル]
著・文・その他
藤岡 信勝[フジオカノブカツ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
14
宮脇淳子、倉山満、藤岡信勝という専攻の異なる三人が発起人となって、「昭和12年学会」を設立した。本書はその経緯と趣旨を鼎談したもの。かなりおもしろい。既存の歴史学会をバッサリ切っているが、まぁだいたいあたっている。この学会の後援を藤原書店がするのだが、どうも外野からかなり批判があったらしい。「藤原書店ともあろう会社がこんな右翼の本をだすなど」的な内容の。参加するにはかなりの覚悟が必要だろうが、意義は大きいといえる。1937年=昭和12年が、世界史の転換点になったというのは面白い着眼点だ。2018/11/19
古本虫がさまよう
2
三人の座談会形式で、「昭和12年とは何か」が論じられている。その中で、倉山さんが、古川隆久さんの『近衛文麿』 (吉川弘文館)を取り上げ、この中に「コミンテルン」という単語が一回もでてこないと指摘し、 「今の日本の学界では『コミンテルン』という単語がタブーだからです」と話している。 『多田駿伝』 (小学館)を出した岩井秀一郎さんの「先生」でもそうなのか?そういえば『多田駿伝』には「コミンテルン」という言葉は出てきたか? ううむ‥。記憶にないが…。2018/11/11
■TERU■
1
ネットで宮脇淳子さんを知り、モンゴルやチャイナ・朝鮮の歴史に興味を持ちました。 本当に目から鱗で、学校で習った歴史がどんなに歪められたものなのか思い知らされました。 昭和12年日本にとって運命の年、今後の活躍を期待する内容でした。2019/05/25
まっちゃん2
0
宮脇淳子、倉山満、藤岡信勝という3巨頭が歴史の重大なターニングポイントのS12年を深堀する学会の設立経緯のわかる本。上級者向き。ともかく左翼系の跋扈する既存学会にたいして正論を唱えるという姿勢。2024/02/03
WS
0
先行研究の整理の仕方を学ばなかった。事実に真摯に向き合う気持ちを感じた。2022/04/29