内容説明
病を得て余命宣告された硬派ジャーナリストの最後の仕事は、死に直面した文化人たちの格闘を読み解き、伝える連載だった。戦没画学生の絵、闘病記、広島、水俣、東日本大震災、沖縄、「自死」…絶筆となった渾身の連載稿に、並行して書かれた詳細な日記を付す。
目次
「生きることばへ」(「命の叫び」を画布に―戦没画学生慰霊美術館「無言館」;病を楽しむという境地―俳人・正岡子規「小さな世界」の輝き;豊かな感受性と闘う意志―スーザン・ソンタグ 生の美しさ、揺るがない軸;恐れに屈しない快活さ―中江兆民「一年半は悠久なり」;祈りを収める小さな函―高見順「なまの感慨」;無数の死の悲しみを受けて―原民喜 生と死の記憶を胸にたたえ;日常の奥底、止まる時間―被爆者にとっての記憶とは;特攻というあまりに特殊な死の形態―戦争による生死の意味;原爆から水俣へ―「なぶりもの」にされた人々の現実;「海と陸の精霊」が交歓する世界―悲しみを引き受け希望を胸に 石牟礼道子 ほか)
日記(金子康代編)
著者等紹介
金子直史[カネコナオフミ]
1960年、東京生まれ。84年、東京大学教養学部卒。同年、共同通信社に入社。広島支局、大分支局、那覇支局などを経て、95年から本社文化部に。演劇、文芸などを担当しつつ戦後日本を捉え直す骨太な連載を執筆。2010年、文化部長、13年、編集局次長、15年、長野支局長、16年、本社編集局企画委員、18年、闘病しながら本書のベースとなる連載を完結させるも、同年9月、大腸がんのため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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