サンガ新書
苦の見方―「生命の法則」を理解し「苦しみ」を乗り越える

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784865640199
  • NDC分類 184
  • Cコード C0215

内容説明

「苦(dukkha)」は、お釈迦様が発見した「生命に関する真理」です。それは、日本人がイメージする「苦しみ」とは、ニュアンスが異なります。「苦しみ」も「楽しみ」も含めて、「命」そのものが「苦(dukkha)」なのです。私たちは「楽しい」と感じるときもありますが、「楽しみ」には限界があります。そして、「ある苦しみ」を「別の苦しみ」に変えることが、「生きること」の正体です。この「苦(dukkha)」の真意を理解し、苦を滅する道を歩むことが仏道なのです。―「無常」「無我」と並ぶ仏教の最重要語「苦(dukkha)」を、既存のイメージを覆しながら、正しく理解するための一冊!

目次

第1章 生きることは本当に「苦」なのか
第2章 「苦」の正確な意味を知るために
第3章 生命の法則、苦(dukkha)
第4章 ブッダの苦(dukkha)、その真髄
第5章 七つの苦と五取蘊
第6章 苦(dukkha)を乗り越える
第7章 実践・苦集滅道

著者等紹介

スマナサーラ,アルボムッレ[スマナサーラ,アルボムッレ] [Sumanasara,Alubomulle]
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとったのち、1980年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程で道元の思想を研究。現在、(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事し、ブッダの根本の教えを説きつづけている。朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務めるほか、NHKテレビ「こころの時代」などにも出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

西

11
生きることは苦であるということ。確かにどんな楽しいことでも、ずっと続けていると苦痛になる。そしてまた違う楽をもとめて行い、いずれそれが苦になってまた新たな楽に変えるという繰り返し…。また、「私の」とつけて考えると執着となり自分を苦しめるということ。自分にとっての幸せが何か、周りが欲しがるものを本当に自分は欲しいと思っているのか…。深い部分まで理解するのはナカナカ難しいけど、自分も考えたいと思う2017/09/04

モリータ

8
◆2015年刊。釈迦の仏教の根本概念の一つたる「苦 Dukkha」について平易な言葉で解く。◆私のまとめ;「苦」は物質や精神の無常により、一つ所に留まれず、変化しながら生きていかざるを得ないこと、一瞬一瞬の意識せざる感覚的反応によって行為することによって生じるもの。「不完全さ」「苦しみ」「虚しさ」「無常」といった意味がある。人間のみならず世界そのもののあり方であって、これ自体を思い悩む必要はない。◆しかし、本来無常で自分でないものを、「自分のもの」と執着することで「苦しみ」そのものである「苦」が生じる。2022/07/15

vip2000

7
生命のメカニズムを観ると「苦」が無ければ存在出来ません。生命維持の為、水分が足らなくなったら水を飲むという単純な行為でさえ、感覚としての「苦」が在ります。現在の社会システムは「苦」を無くす為に良く出来た仕組みと思います。宿命として資本主義社会に生まれた場合、富として多く持つ人が生きやすいようだけれども、個々人の心を観れば荒んでしまっている人も多く、身体を壊してしまう人も多いです。こうした、不幸は執着から生じると有ります。ただ、社会システムは無常の世界に含まれるので不完全です。2017/10/27

こひた

3
dukkhaは苦という漢字がもつイメージよりも、自然の状態に近い概念であり、そう考えると四苦八苦の捉え方が変わる。おりおりで、上座部の方が仏陀を正確に伝えようと”苦”労してるように思えてしまう。2016/03/23

やまえつ

3
苦(dukkha)は苦しみではないそうだ。命とは感覚があること。同じ感覚が続くと苦しくなる。だから変化をわざと起こして別の感覚に乗り換える。それまでの感覚の苦しみがなくなった分楽になったと感じるが、実は苦から別の苦に乗り換えているだけ。うーむ、大事なことを理解し損ねているような気がする。2015/08/12

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