感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
99
秋山先生が元日に転倒され重度の頚髄損傷で引退発表のニュースに驚く。先生の音楽が好きで、今まで出かけた演奏会は14回。昨年末のクリスマスに聴いたブラームスが最後になるのか…。とても読後感のいい本だ。これだけ凄い業績の人なのに、自慢や尊大さの微塵もない誠実な語り口は、正に先生の音楽そのものである。ベルリン・フィルからの指揮の依頼を3度も断った話、バンクーバーの自宅での世界一流の音楽家との交流、豊増昇先生の思い出など、垂涎の話題が満載。共著者である冨沢佐一さんも秀逸。温かさと優しさに溢れたお二人の見事な二重奏。2025/01/23
マリリン
31
懐かしい! 本書を手にして改めて音楽に取り組む秋山先生の姿勢に惹かれた。好きなように弾いていいんだよ...包み込むような優しさを感じたが、仲良しクラブ的なオケメンバーの入れ替えや佐村河内氏の問題等は手厳しい。先生の人柄が伝わってきた。現代音楽も、とりあえず試してみよう。好き嫌いをお客様に悟られないように...前向きで明るくユーモラス。音楽によって名声を求めようとしてはならない...音楽に対する真摯な姿勢がエネルギーの源なのかもしれない。読んでいてまだまだ頑張ろう思った。先生のように生きている限り。 2025/08/26
どら猫さとっち
5
日本を代表する指揮者のひとり、秋山和慶さんの指揮者人生からプライベートなことまでを語った回想録。あの小澤征爾さんと旧友でありながらも、違う人生を歩んでいたことは驚きだった。趣味の鉄道から、いたずら好きの一面まで、もちろん音楽に対する考えや信念も余すことなく語っている。品があってチャーミング、なおかつ職人気質。この方が愛される理由が、この一冊にある。実際にマーラー『復活』を聴きに行きました。マエストロの威厳を見せながら、サイン会でお会いしたらものすごく素敵な方でした。2015/05/28
Yoshiyuki Usui
2
斎藤秀雄氏の弟子の一人。小澤征爾氏より少し年下。指揮棒の魔術師。 この言葉が印象的だった。 私が理想とするのは、指揮者がめだたずオケが素晴らしい演奏をすることです。「ああ、いい演奏だった。ところで今日の指揮者は誰だったっけ」と言われるくらいがよいと思っています。あくまで、楽団員やソリストが安心し、言頼をおいて演奏できるのが指揮者の役割です。2024/09/10
Shimatch
2
秋山さんの謙虚な姿勢に感動。2015/04/28