オーバーラップ文庫<br> アマデウスの残り灯―無欲の不死者と退屈な悪神

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オーバーラップ文庫
アマデウスの残り灯―無欲の不死者と退屈な悪神

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  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784865542905
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

栄華を極めた旧世界が崩壊し、ゆるやかに滅亡する世界。不死の心臓を所有する少年カインは神を名乗る少女ヨグと果てない旅をする―ヨグに貶されながら。「無償の人助けなんざ、この廃れた時世では最高に愚かな行為だって解ってんのか?」「仕方ないだろ、僕の旅はそれが目的なんだから」どこかで誰かの力になろうと、カインは今日も旅を続ける。さまざまな街を訪れ、人と出会い、ときに助けの手を差し伸べるが…。これは“人助け”したい不死者カインと“暇潰し”する悪神ヨグのディストピア・ジャーニー。そして2人は世界の終末に生きる人間の真実を見る―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サキイカスルメ

12
まさに残り灯な終わりの世界で旅するお話。不死の心臓を持つカインと見た目は幼女、中身は悪神なヨグの死を目指す旅の話。短編形式なのですが、もれなく切ないというね……。カインは、自分を顧みなさすぎる善人っぷりに、少し狂気を感じましたね。ヨグと話してる時は、普通っぽいのにね。と思っていたら、ラストの話で納得しました。こんな過去があったら、普通ではいられないよな、と。ヨグは口の悪さは天下一品だけど、どこか憎めない子ですね。カインと旅するうちに、丸くなったのかなぁという印象も。ルナの話が一番幸せなラストに思えました。2018/01/16

くもり

7
繊細な話だったな。ただ読んでるだけでは掴めそうで掴めないような。自分の読解力も低いんだけど。でも、それぞれの人の気持ちをあれこれ想像して読後の余韻を楽しめた。あと冬らしい作品ではあるけど、冬に読むにはちょっと寒い気も。心温まるとか熱いとかそんな話じゃなくて、全体的に寂しい感じだったからかな。2018/01/29

しぇん

7
高度な文明が滅んでしまった後のディストピアな世界を不死者と神の少女が旅して歩く短編集。不死を人の為に使い潰す主人公は壊れているレベルで善人ですが、育てられた過程と不死になった過程を考えるとしょうがないのかな?と。各話とも基本的にそこまでエグい話は無く何処か救いがあるようなはなしになっているので、気軽に楽しめました。続きがあるようなら読みたいです。2017/12/30

リク@ぼっち党員

7
なかなか面白かった。不死者と悪神の『終わり』へ向かうための二人旅。人間の善性や悪性、人間らしさをテーマにした作品。表裏で語れるものじゃなくて、多様な側面を持ち合わせているのが人間。一言では表せない人間の複雑さが興味深かった。カインとヨグの気の置けないやり取りも作品の魅力。旅は道連れ世は情け。長い旅も誰かと一緒なら楽しみ続けられる。ぞんざいに扱ってるようにも、大切に思ってるようにも感じられる二人の関係が素敵だった。続きも楽しみ。2017/12/30

真白優樹

7
―――この死にゆく世界に、死への道を求めて。どこまでも、耐え難い程に救えぬこの世界。そんな世界で、命の尽きぬ残り灯を抱えて、終わりを求めて。世界も旅もお先真っ暗、前向きな要素は存在しない。が、しかし。こんな世界にも誰かの、何かへの愛がある。歪んだ愛もあり、真っ直ぐな愛もある。それもまた一つの灯。そして不死の少年が、自らの目的の為に結果的に灯し回るのも、希望の灯り。その灯りがあるからこそ、この真っ暗な世界も仄暗くまで明るく、故に言葉にはしにくい不思議な味があるのかもしれない。 終末の旅の次の行先とは。2017/12/26

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