内容説明
棲家は事件を語る。凶悪犯はどこで生まれ育ったのか?かつてここに怪物が住んでいた。欲望と鬱積と狂気の42現場。
目次
第1章 狂気(山口連続殺人放火事件;綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件 ほか)
第2章 悪女(秋田児童連続殺人事件;阿部定事件 ほか)
第3章 欲望(首都圏女性連続殺人事件;東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件 ほか)
第4章 因縁(永山則夫連続射殺事件;秋葉原通り魔事件 ほか)
第5章 洗脳(福島悪魔払い殺人事件;あさま山荘事件 ほか)
著者等紹介
八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県横浜市生まれ。ノンフィクション作家。写真週刊誌カメラマンを経てフリーランスとして執筆活動に入る。世界が目を向けない人間を対象に国内はもとより世界各地を取材し、『マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅』で第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞
高木瑞穂[タカギミズホ]
1976年生まれ。ノンフィクションライター、編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
99
阿部定事件から酒鬼薔薇聖斗、オウム真理教事件など強烈な印象の残る40件以上の事件を犯人の生家、事件当時住んでいた家、事件の起こった場所の写真と共に短い文章で語る。確かに犯人の多くは貧困というより極貧の家庭に育ち、その貧しさや出自により偏見差別を受けていた。しかし生家が更地だったり無人の朽ちた家だったりすることで犯人の親兄弟が肩身の狭い思いをし、家を捨てざるを得なかった事情も切ない。そして綾瀬コンクリート殺人の犯人など少年法で守られた者がその後再び凶悪事件をおこしているなど少年法の見直しも必要だと思う。2025/04/14
いちろく
23
紹介していただいた本。犯罪は個人の性質だけでなく生まれ育った環境や暮らしていた家の影響もある、と指摘する著者が犯罪者の当時の住居や土地を取材し報告したノンフィクション。「新潟少女監禁事件」「鳥取連続不審死事件」など、当時ニュースやワイドショーを賑わせた事件のその後も知れた部分も大きい。悲惨な凶悪犯罪だらけの報告内容でもあるが、著者自身が足を運び淡々と描いている内容なので読み進められた。さまざまな要因があるにせよ、一般的な常識や倫理観を大きく逸脱している人たちは実在する。それは事実だと改めて思った。2025/02/07
そうさん
8
色々な事件を起こした人物の過ごした家に着目して書かれている本。記憶に残る大事件も多数。どんな事件だったかといった説明があまりない分、非常に多くの事件を取り上げているので、読み応えはある。児童心理学に興味があるので、この着目点は凄いなと読み始めたのだが、驚くほど誤字脱字があるのが残念すぎる。2025/05/10
FuSa
7
加害者の家に焦点を当てているのは新鮮だったけどすでに跡形もないケースも多々あった。各々の事件や犯人像をもう少し深掘りしたものも読んでみたかったかな。2024/11/28
倫敦バス
7
ちょっと誤字脱字が多すぎる。事前チェックはないのだろうか。家が犯罪者を作る。家とは家庭環境でもあり、無視はできない。びっくりするようなボロ屋であったり、逆に豪邸だったり。こういう家だから犯罪者になる、というルール?はないだろうが、一つの目安にもなるだろう。ただ、大量の事件を扱っているだけに内容は薄く、好奇心の対象のように受け取れた。数を絞ってもっと詳しく調べた内容であれば、読み応えのあるものになったと思う。2024/10/23