内容説明
AVを始めアダルトメディアで描かれる女性像は時代と共に変化していく。清純派美少女、熟女・人妻、素人、痴女、ニューハーフ・男の娘…。いずれも男の妄想によって生み出されたものだが、これらが日本の男性、そして女性の性の意識に大きな影響を及ぼしていることをどれほどの人がご存じだろう。唯一無二のエロ表現史にして、わが国の性の構造を読み解く異端の書―。
目次
はじめに 痴女を産んだのは誰か?
第1章 変質する美少女像
第2章 発見された熟女
第3章 素人という幻想
第4章 痴女は女が作った
第5章 男の娘の時代
おわりに 男たちの見果てぬ夢
著者等紹介
安田理央[ヤスダリオ]
1967年埼玉県生まれ。ライター、アダルトメディア研究家。主にアダルトテーマ全般を中心に執筆。特にエロとデジタルメディアとの関わりや、アダルトメディアの歴史をライフワークとしている。AV監督としてもやカメラマン、またトークイベントの司会や漫画原作者としても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
9
2016年刊行の親本から2021年のこの文庫版までの5年間の変化。「AV女優出演強要問題」。第三者機関が発足。「AV人権倫理機構」が制定した人権に配慮したルールに沿った「適正AV」。作品内容に大きく影響したのは、出演者への撮影内容説明の徹底。撮影の48時間前に台本を渡す。ドッキリ、乱交、ナンパはムリになる。そういうわけで、痴女系の性風俗体験ものやサキュバスものが増える。VRものやASMR系もだろう。「非・適正AV」は同人AVになるかな。本書とは関係ないが、うちの安アパートのお隣りが愛人だかデリだかになって2021/11/26
イワハシ
6
アダルトビデオ等で女性側から積極的に行為に及ぶ様をここでは「痴女」としている。AV全盛期から知る身としてはいらん記憶を刺激されまくって困った(分かってて読んでるんですが)2021/11/17
Gen Kato
4
日本のアダルトビデオ史。懐かしい名前から現在の傾向まで、男性を「欲情」させる女性像というものを考えさせられながら読んだ。ジェンダーやセクシュアリティのありようは限りなく幅広いグレーゾーンなんだよなあ…2021/12/15
桑畑みの吉
3
タイトルに「痴女の誕生」とあるが、「美少女」「熟女」「素人」「痴女」「男の娘(含むニューハーフ)」という5カテゴリーに分けて、アダルトメディアの誕生と発展を検証する内容となっている。アダルトメディアとなっているが、ほとんどはAVの話題である。1980年代の黎明期から現在に至るまで一体何十万のAVが発売され消えていっただろうか?映画と違って、過去作品を振り返ることはない。女優達の活動期間も短かい。そんな業界の変遷をダイジェスト的に確認出来た点が良かった。巻末には関連する年表(1950年~2020年)付き。2022/04/02
嗜好
1
痴女のみならず、熟女、素人などのAVの主要ジャンルの歴史を概説してくれている。乱丸ってまだあるの!?など。