内容説明
中東で働いた若き日々、福島での生活、塾で教える子どもたち。この三角形のなかで、歌人は、〈わたくしたち〉の世界をひらこうとする。第七回佐藤佐太郎短歌賞受賞『花の渦』以後の作品を収録。
目次
1 二〇一九年 夏~二〇二二年(雪と点灯夫;花陰に泣く;花鳥風月;灯心蜻蛉;丸葉縷紅 ほか)
2 二〇二三年~二〇二五年(雪と瞑目;灯る山査子;春の塵;虹をつくる教室;夏は来ぬ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yumicomachi
3
福島県で学習塾講師として働いている著者の第四歌集。こどもたち(小学生だと思われる)への温かいまなざし、震災やコロナ禍を受けての葛藤や怒り、小動物(鸚哥や昆虫)や季節の移ろいへの細やかな観察などが、一冊を通して高い表現力でうたわれていて、充実した読書だった。【星は巡り教室に忘れおかれたる三角定規しみじみと冷ゆ】【十二歳に震災の春の記憶なし諳んずる「春はあけぼの」の春】【君たちよりも早く来ていた蟋蟀の子を教室の外に追いたり】【氷雨ふる沼を巡れば十二分旅人算の旅人として】等357首。2025年12月26日発行。2026/02/08
ほんじょう
0
読みたい読みたいと思いつつ既刊歌集を積んでしまってるのだけれど、最新の第四歌集を先に読んでみる。(第一歌集と最新歌集は優先的に読みたい気持ちがある。) おそらくは自分と年が近いひとの、福島の地での生活の歌。仕事で関わっているこどもたちの歌が多め。ほどよい距離感というか、踏み込みすぎずに観察しながら心を寄せているような温度感がある。 そこに自然に混ざり込むような、声高ではない社会詠も印象深い。2026/02/08




