感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
3
亡くなったねこ様やご家族を詠んだ歌が好きです。タイトルは中野重治の同名小説と何か関係が？と思ったら埼玉の梨畑の多い地域にお住まいとのことでした。2019/11/21
yumicomachi
1
2019年9月刊の第十歌集。あとがきによれば著者67歳から70歳までの作品だという。そして、近しい人々や飼っていた猫の死があったことが、あとがきにも作品にも反映されている。ときには笑ってしまうようなユーモアも見られたが、全体には淡々としながらもあわれぶかい短歌が多い。〈町角にコントラバスを弾く男行き過ぎむとしてしばらく聞きぬ〉〈黒雲のしたに梨の花咲きてをりいまだにつづく昭和のごとく〉〈猫さへもいのちかなしく少しづつ少しづつして老いてゆきたり〉〈十二年をかへりみすれば突然の死がありわづらひの果ての死があり〉2019/11/22
