内容説明
2013年夏から2015年夏までの、ほぼ2年間の作品の中から519首を収めた50代を終わる第13歌集。
目次
夏の鎌倉
あたたかき感情
古時計
鷂
空刻
ポインセチアのころ
石鹸
背負子
存在の残響
谷戸町〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
27
#小島ゆかり #短歌 花見弁当ひらけばおもふほほゑみに肖てはるかなる<戦争放棄> #返歌 花見弁当ひらいて行う安全の分析戦争放棄を含め #土屋文明記念文学館 #本歌 ほほえゑに肖てはるかなれ霜月の火事のなかなるピアノ一台 #塚本邦雄 #感幻楽 #現代女性歌人展 2016/09/06
双海(ふたみ)
11
2013年夏から2015年夏までの、ほぼ2年間の作品の中から519首を収めた50代を終わる第13歌集。「亡き人は在り在る人は亡きごとし大通り夏のしろさとなりて」「桜木にをとこをみなの気配あり男めつむり女みひらく」「くちびるに触れて味はふ雨の味まづ感傷を遠ざけよ」2023/05/28
しなの
10
憧れの歌人、小島ゆかりさんの歌集。とてものびやか、こんな風に詠んでみたい。ラブです。栗の花の紐が無数にたれさがり 蟻はましろき卵を運ぶ/おほぞらに古時計ありしいしいと秋の蝉なく都心の林/2017/02/27
すずき
6
『純白光』に続いて小島ゆかりさんのまとまったものは二冊目。相変わらずの素晴らしい安定感。どこかで紹介されていたあやしい感覚も健在。目立って新しいような歌はないが、とにかく挽歌が目立つ一冊だ。それだけに、より一人の人間としての著者にはりついた歌は多いかと思う。2017/02/19
Cell 44
1
父母の介護や周囲の歌人との死別といった重たい主題の歌が多いが、読後感としてはむしろ澄み透るようなところさえある。「黄昏飛行」の連作が家や老いといった生活の次元に絡めながら非常に大きな時空に触れようとしていて刺激的だった。またこれは以前から気にかかっていたことだが、対句表現の多さもこの作者の特徴だろうか。2017/08/21