内容説明
いてもいい、いなくてもいい。選ばれし花びら散って きみにいてほしい。とまどいながら、後戻りのできない決断をかさねて、いま、ここに在ること。デビュー作『乱反射』から18年後の、小島なお最新歌集。
目次
1(両手をあげて、夏へ;Tay、あなたへ ほか)
2(魚は馬鹿;手と手と手 ほか)
3(一月一日;戸籍の雪 ほか)
4(金色堂;羊肉 ほか)
5(荒行;骨と柳 ほか)
著者等紹介
小島なお[コジマナオ]
1986年、東京生まれ。青山学院高等部在学中に短歌を作り始める。2004年、角川短歌賞受賞。歌集に『乱反射』(現代短歌新人賞、駿河梅花文学賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
16
小島なおさんは1986年生まれ。青山学院高等部在学中に角川短歌賞ご受賞。お母様は歌人の小島ゆかりさん。第4歌集になる。2021年から2025年の作品を編年体で編まれたという。2025年12月刊。婚姻、不妊治療、お祖母様のご逝去を豊穣な比喩で詠まれ、その背後にあった大きな感情の動きを静かな詩情に昇華させた歌集。つらいことをつらいという言葉を使わずに迫力を持って静かに読者の心のなかにしみこんでくる作品の数々。他の歌集も読みたいと思える歌集であった。2026/04/21
yumicomachi
3
1986年生まれの著者第四歌集。世界のさまざまなありように、個人をめぐるさまざまな出来事や決断(婚姻、不妊治療、祖母の死など)に、とまどいながら向き合う三年間の短歌作品群。【産んでいない子を思うこと増えながらあかるいパンジー大きなくらやみ】【夏草は身体の外で鳴りながら楽器のように受け身でいたい】【悼むときいらない瞼 みひらいて私のいない世界を生きる】【望まない きみの思いの透ける初夏いない子どもの話はしない】【フォグランプ点す向こうに旧姓の木の葉が散ってまた舞いあがる】等。2025年12月9日第1刷発行。2026/03/12
ほんじょう
1
生活のすぐ隣で詠まれた歌なのに、生活そのものは薄膜の向こうではっきり見えない、日記やエッセイとは少し違った不思議な距離感。「明るい光の中での愁い」のような、私にはまだうまく言語化できない、影を感じる歌が多い、と思う。引用したい歌が、読み返すたびに変わる。帯の内側が、外側の文字の色とたぶん同じで、帯を少しゆるめて覗き込むと、その水色が表紙に映る感じが、水の中を覗き込んでいるようで、綺麗だった。2026/03/27
草波ことり
1
「月面にゆるくはためくあの旗のように私はきみを思って」「栞紐ほぐして傷つける文庫 物語には夏ばかり来て」 「微熱ある身体に耳を押しあててやがて大きな貝殻となす」 「粉薬きみの底まで散ってゆく 動画みたいにほの明かりして」2025/12/29




