感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
古玉
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2022年の角川俳句賞を受賞した新鋭の第1句集。 「ここを通り抜けたり、ここにとどまったりする、全てのものへ。」と帯文とあとがきにあるように、作風は客観的で冷静で、身近にある物事や状況の意外性を的確に掬い取っていく。けれど全体がどこか感傷的な雰囲気を帯びていて、読み進めていくうちに句の断片がだんだんと心に引っかかり、「通り抜け」ようとする私に「とどまる」よう要請してくる。 気に入った句をいくつか挙げる。 座蒲団に顔を伏せれば夜の雪 留守番や金魚の水の甘さうな 三月や手錠の色の台所 芒原笑ひにも似て私たち2025/10/17




