出版社内容情報
間違ったまま、不具合のまま、それでも今日を生きる
なべとびすこ、待望の第一歌集
大声で泣きたかったすべての日のために。 ──雲居ハルカ(ハルカトミユキ)
〈収録短歌より〉
ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる町 でもふるさとを他に知らない
剥かなくていいにんじんの皮を剥く誰に見せてる人生だろう
(苦しいと言っちゃいけない苦しいと言っちゃいけない)とても「 」
再起動して治るバグ 原因を探さないまま打ったEnter
咲く前もさくらだったよ背景になって暮らせる才能もある
〈ご精算は食品レジでお願いします〉食品レジでパンジーを買う
Thank you for 動いてくれる JR. 思い出の各所にはハレーション
あなたの猫にあなたのライブを見てほしい 晴れ間にジャンプ傘をひろげて
うたた寝のあとにカーテン開けて見る朝か夕かもわからん光
トンネルを抜けても僕は僕のままさっき見えなかった海が見える
【著者紹介】
なべとびすこ (ナベトビスコ)
大阪府出身。
「57577 ゴーシチゴーシチシチ」原案・ゲームデザイン、 「短歌カードゲーム ミソヒトサジ〈定食〉」制作。TANKANESS 編集長兼ライター。
短歌同人「ジングル」所属。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
44
何だろう・・この感じは?これまで、何冊かの短歌集に触れてきたが、肌触りが違う。日常の暮らしの中で、気づかずにいること・・実は、深層心理として無意識の中にあるものが、ひょこっと顔を出しているような。「そうそう、そうですよね~」・・だったり、「あっ、やられた・・」だったり。それでも、自分自身との距離感が、意外なくらい近いとも感じる。2026/01/01
中はしっとり
2
少しばかり危うさをも伴った繊細な歌が多い印象だ。特に「信号を無視するときこそ信号を最も強く意識しながら」は、繊細さと鋭い観察力が両立していて鳥肌ものだった。また、「久々の新幹線で持ってきた本を開けずに東京に着く」は歌集の中で支えになる歌のように感じて、とても良かった。 最後に。私が細々ながらこれまで短歌を続けてこられたのは、なべとびすこさんの存在が大きいと思っています。出版おめでとうございます。2025/11/09




