内容説明
フッサール以後の現象学研究はここからはじまった。ナチ台頭によって、フッサールの自筆原稿が葬り去られようとしていた。危機を察知した神父ファン・ブレダは、遺稿を国外に持ち出そうと計画する。フッサールの妻や弟子たち、ハイデガー、サルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナスらとの関係も垣間見える哲学ノンフィクション。
目次
第1部 ベルリン行きの三つのスーツケース
第2部 戦争の時代
第3部 あるフランシスコ会修道士の執念
著者等紹介
ホルステン,トーン[ホルステン,トーン] [Horsten,Toon]
1969年生まれ。ベルギーのフリージャーナリスト。新聞、雑誌に寄稿するほか、ベルギーの放浪者コロニーに関する書籍(“Landlopers(放浪者)”)や、『タンタンの冒険』の原作者エルジェの芸術的遺産についての書籍(“Kinderen van Kuifje(タンタンの子どもたち)”)を執筆。自身の親類であるヘルマン・レオ・ファン・ブレダの生涯について何年にもわたり研究を重ね、2018年に“De pater en de filosoof(神父と哲学者)”(邦題『フッサールの遺稿』)を発表。“De pater en de filosoof”は、ベルギーおよびオランダでベストセラーとなり、Spiritual Book Awardを受賞している。ドイツ語訳が2021年に出版されると、ドイツ語圏の主要メディアがこぞって取り上げ、公共放送局ZDF(第2ドイツテレビ)と週刊新聞『ツァイト』紙のノンフィクション書籍部門のトップ10にランクされた
赤坂桃子[アカサカモモコ]
翻訳家。上智大学文学部ドイツ文学科および慶應義塾大学文学部卒。ノンフィクション、人文・思想、文芸など、さまざまなジャンルの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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