目次
1(来々軒;霞みませう;フラダンス)
2(雨傘;鹿の恋;レモンティー;春は曲者)
3(なまはげ;乳腺図;とある日の)
著者等紹介
太田うさぎ[オオタウサギ]
1963年東京生まれ。1997年俳句同人誌「や」入会(2005年退会)。2000年「豆の木」同人。2006年「雷魚」同人(2014年終刊)。2015年「なんぢや」同人。2019年「街」入会。2010年、2014年「豆の木」賞受賞。現代俳句協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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空の落下地点。
2
白鳥と鯉に階層があること、これを〈鯉の食べ残しを白鳥が淀んだ池に嘴を突っ込んでまで食い漁っている〉と主体客体を入れ替えるとちょっと物語じゃない。ドーベルマンのBL、かわいい。校庭の隅の兎は、客体としてではなく主体としている。決してスポーツを楽しむ子たちの観客ではない。学校という建物は大きいが、その場所の主である学校は生き物ではない、人間が退けて夜、夜勤などもいない場合、その場所で鼓動しているのはもしかすると兎だけかもしれない。大きなもの、主とされるものよりも、小さな小さな兎の方が尊いということ。2024/01/20
豆ぐみ
2
2020年、左右社刊。「豆の木」「なんぢや」同人、「街」会員の著者の第一句集。好きな句は〈花オクラ日にち薬は淡く効き/色鳥や天地逆さに置く眼鏡/ひとりとは白湯の寧けさ梅見月/パン屑と名前を貰ふ雀の子/夏帽子振つて大きなさやうなら/苧殻焚くちかごろ母の声に似て/うたごゑがほどけあらゆる草に露/緋の白の八重の一重の寒牡丹/鷹匠に鷹に離宮の小糠雨/春雨や源氏の恋を貝の内/空をまだ虹の成分ただよへる/千騎来るごとく端午の雨の音/歪ませて過去はうるはし雛あられ/乳腺図即ち烏瓜の花〉などなど。2020/10/17