内容説明
精神の危機を「エロイ・エロイ・ラマ・サバクタニ」で乗り越え、ギャラリー白い点を拠点に未踏の冒険に踏み出す。副島種臣、河東碧梧桐の衝撃を世に知らしめ、新しい書史を確立。現代芸術の世界を毅然と歩んできた書家は何を感じ、考えてきたのか?
目次
第1章 書との出会い
第2章 人生の冒険 時代を書く
第3章 古典への回帰とタブーへの挑戦
第4章 古典への退却
第5章 ふたたび、時代を書く
第6章 劣化する日本語のなかで
著者等紹介
石川九楊[イシカワキュウヨウ]
書家。京都精華大学客員教授。1945年、福井県生まれ。京都大学法学部卒業。1990年『書の終焉 近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞、2004年『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、同年日本文化デザイン賞、2009年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林克也
2
戦慄と同意。その書と思想に。 この夏、名古屋での展覧会を見逃してしまった。しかし、この本を読む前に見るのと、今、この本を読んだ後で見るのとでは全く違う経験になると強く思った。つまり、夏に展覧会を見なくてよかった、ということ。 これから、石川九楊氏の作品を生で見ると、戦慄を覚え、畏れおののき(この“畏れ”)、わなわなと泣き出してしまうかもしれない。 フクイチの吉田所長への不可解な英雄視の話、成る程そうだなっていうことと、タテ書の封筒にヨコ書きで宛名を書いてくる人がいること、これは参ったなぁって思った。 2019/10/23