内容説明
家具一切を売り払い、ようやく手にした十円足らずを元手に、ふたりは足かけ四年の旅に出た。行きがかりで漂いでた日本から、アジアを伝ってパリへの遠い旅は、はじめのうちこそ少し寂しい気もしたものの、気楽でもあったし、悪いものではなかった―。残された作品を丹念に追いながらふたりの道行を描く傑作評伝。
目次
第1部 放浪の始まり
第2部 新嘉坡の別れ
第3部 モンマルトルの再会
第4部 厳しいパリ
第5部 ヨーロッパ離れ離れ
第6部 女流作家誕生
第7部 『鮫』の衝撃
第8部 南方の旅、再び
第9部 戦時下のふたり
第10部 「寂しさの歌」
短いエピローグ
著者等紹介
柏倉康夫[カシワクラヤスオ]
1939年東京生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。NHK解説主幹、京都大学大学院文学研究科教授を経て、放送大学教授・副学長・附属図書館長。現在、同大学名誉教授。京都大学文学博士。フランス共和国国家功労勲章シュヴァリエを叙勲(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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