内容説明
おれとおまえばっかになったぞ。大事にうとうてくれろよ。三味線と唄で人生を切り開いた、盲目の旅芸人。その唄は人をつなぐ。
目次
一の段 旅のはじまり「こんなばあさんから唄を習いたいなんて物好きだの」(師匠・小林ハルとの出会い;突然の入門;最初から道は険しい ほか)
二の段 道はつづく、奥深くへ「さずきもんさえ大事にしてりゃなんとかなるもんだ」(芸はそのまま「人」;高田瞽女・杉本シズさん;暮らしから唄が生まれる ほか)
三の段 別れ、そして旅はつづく「おめと一緒に旅したかったもんだ」(唄は人の歴史;うたってはじめて気づくこと;「わかるなんて言うもんはうそつきら」 ほか)
著者等紹介
萱森直子[カヤモリナオコ]
1958年、新潟県新潟市生まれ。無形文化財保持者の長岡瞽女・小林ハル氏に師事。小林ハルの伝えた三種類の節回しで祭文松坂をうたいわけることができる。高田瞽女杉本シズ氏を通して高田系瞽女唄も習得し、長岡・高田両系統の瞽女唄を直接伝授される。映画『瞽女GOZE』の瞽女唄指導協力など、メディア出演・協力多数。新潟市内の保育園で園児と瞽女唄を唄う活動も行うなど、瞽女唄をめぐる環境づくりや、瞽女唄教室での後進の育成にもつとめている。「越後ごぜ唄グループ『さずきもん』」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りえぞう
4
◎。瞽女さんが、なんか凄絶なものというイメージは、多分水上勉のはなれ瞽女おりんかなにかカラキテイルノダト思うが、実際にどんな苦労をされたかは御本人にしかわかりようもないが、ここに出てくる小林ハルさんは、立派な民間芸能の伝承者だ。彼女たちの歌にストーリーがあったりなども初めて知った。作者の萱森さんは病気がちな方のようだが、とても芯の強い方。一度唄を聞いてみたい。2024/03/14
浅西マサ
3
最後の瞽女と呼ばれた小林ハルさんに師事した最後の弟子だった著者が、いかにして瞽女の音楽に導かれてさずきもんを受けたのかを演者ならではの視点で描き、学術的にも貴重な構成になっているとおもう。瞽女の歴史やその中での役割の説明の中で師匠であった小林ハルが「好きな歌もない思い出に残る歌もない。ただ喜んでもらった歌は何曲かある」と断言するくだりに演者としての矜持が伝わり感動した。あと、その時その場で演奏を変えることがある瞽女の歌唱について、安易に伝承を守るや継続するという言葉に疑問を投げ掛けているのも深いなと。2024/01/17
金平糖
3
C。2022/02/12
takao
2
ふむ2023/06/05
もこもこ
0
瞽女の言葉だけ知っていたけれど、私が持っていたイメージとは違っていたことが解って読んで良かった。瞽女唄も聴いてみたいと思いました。2025/02/15