内容説明
高層建築の屋上にある、住人自身が建てた住居は、半世紀以上にわたる香港の歴史の欠かせない一部になっています。屋上家屋は、社会的弱者が住む簡素な住居から、現代的な設備を備えた複数階に及ぶ複雑な建物まで、多岐にわたっており、Rufina Wu(カナダ)とStefan Canham(ドイツ)は、建築家と写真家の視点から、5つの建物の屋上コミュニティーを記録しました。これらの建物は、香港都市再生局(URA)が再開発対象としている九龍半島の旧市街地に建つものです。住人のインタビュー、それぞれが独特な屋上家屋の実測図、20世帯以上の住居の内部を写した写真には、香港の屋上家屋の日常生活に対する前例のない洞察が盛り込まれています。
目次
香港の地図
5つの屋上コミュニティー
香港の屋上家屋:概論(Ernest Chui博士)
日本語版解説 消えてしまうその前に(大山顕)
取り壊された屋上家屋
1 ~ 1件/全1件
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dogu
2
家賃相場が高すぎて普通の意味でいう「部屋」に住めない人たちの記録。2017/08/01
代理
2
ガッカリ。『消えゆく屋上コミュニティ』と帯で煽るが、出てくる写真は台所ばかり。間取りの図を挟むぐらいなら、俯瞰の写真をもっと載せて欲しい。汚いものを期待したのに小奇麗に編集加工されてつまらない。屋上で暮らす負の側面に触れてないのもフェアじゃない。香港まで行ってなに撮ってんだよ2015/08/09
yoshi
2
気になってた本を店頭で見つけたので立ち読みした。期待ほどではなかった。上にしか積み上げられない香港で、最下層の人たちがルーフトップから香港を見下ろしているというのは素敵なアイロニーかも知れない。2014/04/12
ひるお
1
中国本土から、さらにはアジア一帯から人口が流入し、住宅費が高騰する香港。それを解決するべく人々が講じたのは、既存のビルの屋上にセルフビルドで家を作ってしまうという作戦だった。何軒もが連なるようにして建ち、ときには数階建てにさえなっている住宅。それらを写真と間取り図で記録し、住民にインタビューした意欲的写真集。カオスな室内には都築響一を感じてしまう。解説に大山顕を起用するところ、ナイス。2025/05/16
相馬
1
香港のビルの屋上に林立する住宅(もちろん違法。かつ黙認)の写真集。間取り図付き。バラック程度の小屋も多いが,直射日光を我慢すれば日当たり風通し良好で,地上より快適で住み易いというのは面白い。古い時代の移民対策,屋上がフラットな(空調等の設備の無い古い)ビル限定(今は無理)という話も興味深い。ただ,思ったより写真が少なく,間取り図も細切れで全体の見取り図が無いので屋上全体の概要が掴みにくい。2017/08/08