内容説明
中絶は異なる生の肯定の条件である。反出生主義からフェミニズム、ケア論の前線まで、現在のあらゆる議論と対決しながら、カント、スピノザ、ベケットらを読みかえ、進化論、内部観測論なども導入しつつ、哲学の優生主義、そしてこの優生的な世界を拒絶する、全く新たな生と死の思考、そして自然と革命を開く衝撃の反哲学。
目次
第1章 中絶の哲学史
第2章 ヴァイオリニストと猫―生命倫理学について
第3章 「便所」をめぐる闘争―エントロピーについて
第4章 死の越境―主体化について
第5章 生殖するアンティゴネー―大江健三郎『水死』について
第6章 啓蒙のパラドクス―埴谷雄高『死霊』について
第7章 存在論的中絶―性選択について
著者等紹介
石川義正[イシカワヨシマサ]
1966年生まれ。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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