内容説明
気候変動と闘う思想とはなにか。気候運動はどうあるべきか。欧米で波紋を呼ぶ論争の書。
目次
序文 なにもしないことの言い訳などもうありえない
1 闘争の歴史に学ぶ
2 呪縛を解く
3 絶望と戦う
補論 反撃はいつ始まるのか?
著者等紹介
マルム,アンドレアス[マルム,アンドレアス] [Malm,Andreas]
ルンド大学人文地理学部准教授。著書に『パイプライン爆破法―燃える地球でいかに闘うか』(2016年にドイッチャー記念賞受賞)など
箱田徹[ハコダテツ]
天理大学人間学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
8
刻一刻を争う気候運動では未だに「絶対非暴力が唯一の方法」とされている。確かに非暴力主義の運動実践はこれまでも成果を出してきた。だが、それで十分だろうか? 著者は非暴力を「効力がなくなったら捨て去るしかない戦術」だと断言する。とは言え、単なる暴力、なかんずく化石資本家の要人テロを決行せよ、と言うのではない。求められるのは「制御された政治的暴力」という技術である。環境負荷の多い富裕層が所有するモノを撃砕せよ。これが暴力の実践的意義である。フーコーの理論研究から労働運動研究まで手掛ける箱田徹の訳文も素晴らしい。2022/04/09
Tom
2
現代の環境保護活動では非暴力主義が徹底されているが、それで手段を選ばぬ大資本と闘えるのか?という問い。著者は社会運動の歴史を紐解く。サフラジェット、公民権運動、反アパルトヘイト然り、あらゆる社会運動には暴力も厭わないラディカルな勢力があった。非暴力で有名なガンジーも批判する。ガンジーはイギリスの戦争に協力的であった。人を傷つけずに施設を壊す破壊行為(ヴァンダリズム)を推奨。10円玉で街の高級車を引っ掻こう。2022/02/10
Akiro OUED
1
気候正義が要求するのは、人減らしだ。世界中の気候運動活動家自らが、パイプラインの横に枕並べてそれを実践して見せれば、消費正義の生活者のマインドセットを変えられるかもね。温暖化対策はビジネスのお題目の一つに過ぎない。そのメリットを享受してない人って、世界中に何人いるのかな。2024/11/10
Egon
0
映画から。映画では個人的理由の強い人が実際に行動していた記憶。2024/11/03




