内容説明
ベンヤミンの革命と救済の歴史哲学を読み解き、その問いを歴史の危機のさなかに受け継ごうとする哲学の試み。命あるものを犠牲にしながら続く歴史を逆なでし、死者とともに生きる道筋を、進歩の残骸を縫って切り開く非連続的な歴史へ。
目次
ベンヤミンの歴史への問いを受け継ぐために
1 想起と救済(想起からの歴史―ベンヤミンの歴史哲学;メシアニズムなきメシア的なものの系譜―ベンヤミンとデリダの「メシア的なもの」をめぐる思考)
2 ベンヤミンとハイデガー(反転する時間、革命としての歴史―ベンヤミン、ブロッホ、ローゼンツヴァイクと初期ハイデガー;救済と命運―歴史をめぐるベンヤミンとハイデガーの対決)
3 歴史の媒体(切断からの像―ベンヤミンとクレーにおける破壊と構成;像における歴史―ベンヤミンの歴史哲学における構成の理論)
4 名もなき者たちの歴史へ(「歴史の概念について」ハンナ・アーレント手稿―解題と翻訳;抑圧された者たちの伝統とは何か―ベンヤミンの歴史哲学における歴史の構成と伝統)
残余からの歴史のために
著者等紹介
柿木伸之[カキギノブユキ]
1970年鹿児島生まれ。専門は、二十世紀ドイツ語圏の哲学と美学。広島市立大学国際学部教授を経て、2021年4月から、西南学院大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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