内容説明
“大破壊”後の架空の都市国家に生きる一青年の任務と日常に仮託して、来たるべき人間と社会の趨勢を描いた、ユンガーの知られざる長篇小説。『大理石の断崖の上で』『ヘリオーポリス』に続く本作で、ユンガーはついに、独裁者たちが巨大な森へと消失する未来を幻視する。稀代の魔術的リアリストが展開する、鏡の奥の世界へようこそ。
著者等紹介
ユンガー,エルンスト[ユンガー,エルンスト] [J¨unger,Ernst]
1895年3月29日ハイデルベルクに生まれ、北ドイツで育つ。1914~1918年、第一次世界大戦に志願兵として従軍、少尉まで昇進、帝政ドイツ軍人最高の勲章pour le merit受勲。1920年、従軍日記を基にした大戦体験記『鋼鉄の嵐のなかで』を自費出版。除隊(1923年)後、大戦体験の思想的・文学的深化に取り組む傍ら動物学を学ぶ(1925年春まで)。ナショナリズム革命論客として活動(1933年ナチス政権誕生まで)。その後エッセイ、小説など作家業に専心。1939~1944年、第二次世界大戦出征、パリ占領軍司令部勤務。敗戦後1949年まで出版禁止。解除後最晩年に至るまで旺盛な執筆活動を展開。1998年2月17日死去
田尻三千夫[タジリミチオ]
1948年生まれ。東京外国語大学外国語学部ドイツ語科卒業、東京大学大学院人文科学研究科独語独文学科修士課程修了、東京女子大学文理学部専任講師、助教授を経て東京大学教養学部助教授、東京大学教養学部・大学院総合文化研究科言語情報科学専攻助教授・教授、東京大学名誉教授。ドイツ近現代文学研究・紹介(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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