内容説明
プロソポンとは何か。古代ギリシアにおいて「顔」である同時に「仮面」を意味する特異な言葉をめぐり、その概念系とイメージの諸相を、古典文献や陶器画などの綿密な比較分析を通じてアナクロニックに横断し博捜する、新鋭によるたぐいまれなる成果。
目次
第1章 プロソポンの基本概念と隣接概念(プロスとオープス;プロソポンとプロソペイオン;「プロソポンの下/背後」をめぐる言説―モルモリュケイオン、カルディア、ヒュポクリテス)
第2章 プロソポン―“あらわれ”の方へ(饒舌なる表面;皺・痕跡・面影;視覚の表皮、事物の皮膜―デモクリースにおけるエイドラ)
第3章 対‐面としてのプロソポン(古代ギリシア陶器画における正面観図像;プロソポンは「鏡」か?―カタ・プロソポン)
第4章 アプロソポス―別様の「顔」の形象のために(美少年カルミデスの謎;テオプラストスの「鉄面皮」;非人称)
著者等紹介
佐藤真理恵[サトウマリエ]
1981年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。シエナ大学古典世界・人類学研究所(イタリア政府給費)およびクレタ大学大学院古典文献学科(ギリシャ政府給費)留学。京都大学博士(人間・環境学)。京都教育大学、京都造形芸術大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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