内容説明
伝統から解放された近代絵画の誕生。われわれは新しい世界に入り込み、“オランピア”で幕が開ける―晩年の高名な画家論、待望の新訳。
目次
マネの優雅さ
非人称的な転覆
主題の破壊
“オランピア”のスキャンダル
秘密
疑念から至上の価値へ
年譜
簡略書誌
訳者解説 もうひとつの近代絵画論『マネ』
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
62
1955年著者晩年のマネ論。「重要なのは主題ではない。重要なのは光の震えである。」マネの絵画はそれまでの読みものであった絵画が、絵画という自律した芸術へ変化した変換点であった。現代にまでつながる系譜。いわば「絵画の沈黙」。1860年代聴衆の爆笑や怒り等スキャンダルを引き起こした「オランピア」は、現在ルーブル美術館の傑作のひとつ。古典の絵画からの借用は、絵画を変貌した現実へと変える「脱皮」を示す。最期に彼は「フォリー・ベルジェールのバー」で空虚と言う不在を授けた。光による無限の祝祭であり、光の魔法なのだ。2019/09/15
nranjen
3
バタイユのマネ論。バタイユはこんなことも論じているんだ!という意外な驚き。序盤のマネという人間像を作り上げていこうとする下り、ボードレールやマラルメ、ヴァレリーとの関わりも興味深い。眠れずに読んだ本だからかあまり頭に入ってこなかった。訳者あとがきでバタイユ研究がガリマールの全集が出版してから進展著しいことに触れられていて、研究自体にも地層的な違いがあるらしいことに気づかせてもらえた。バタイユの受け止められ方は変化しているらしき。2019/03/31
takakomama
1
最後まで読みましたが、翻訳調の難解な言葉と文章で、難しかったです。巻末にマネの絵画がカラーで50枚も載っています。2018/03/30
Yu Kinoshita
0
バタイユによるマネ論。 マネは多く言及されているが、美術史家以外からの言及が多いところが特徴ではないだろうか。 バタイユ、フーコー、ゾラ、、、プルーストはモデルとしてマネを使ってるという。2018/10/25