内容説明
20世紀ドイツの文壇に屹立する作家エルンスト・ユンガーの政治評論の中から、自らの従軍経験より発した1920~30年代における特異なナショナリズム思想と、40年代の汎ヨーロッパ主義への変遷を映す、重要テクストを精選。戦没者を悼むことを通じて、戦争という破局的試練や憂国/愛国のありようを情熱的かつ怜悧に分析した諸篇とともに、ナチズムとの批判的対峙を跡づける本邦初訳の一連の論考をまとめる。孤高の作家の政治遍歴と実存的格闘を、原典の翻訳と懇切な解説でたどる、稀有な一冊。『追悼の政治』増補改訂版。
目次
第1部 追悼論(忘れえぬ人々―まえがき;カスパール・ルネ・グレゴリー;忘れえぬ人々―あとがき;総動員;平和―ヨーロッパの青年への言葉、世界の青年への言葉;第一部解題 エルンスト・ユンガーにおける追悼論の変遷)
第2部 ナチズム観(ナショナリズムとナチズム;「ナショナリズム」とナショナリズム;没落か新秩序か;第二部解題 急進ナショナリストのナチズム観)
著者等紹介
ユンガー,エルンスト[ユンガー,エルンスト] [J¨unger,Ernst]
1895年ハイデルベルグに生まれる。1914年第一次世界大戦に出征し、主に西部戦線の塹壕で戦う。1918年軍功によりプール・ル・メリットを受勲する。1920年戦争日記『鋼鉄の嵐の中で』を出版して以降、日記、エッセイ、小説、往復書簡集などの分野で数多くの著作を執筆する。1982年ゲーテ賞を授与される。1998年死去
川合全弘[カワイマサヒロ]
1953年生まれる。1976年京都大学法学部卒業。1981年京都大学大学院法学研究科政治学博士課程単位取得退学。京都産業大学法学部講師、同助教授を経て、京都産業大学法学部教授(ドイツ政治思想史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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毒モナカジャンボ