内容説明
「社会モデル」の視点を持っているかどうかで世界の見え方はまるで違ってくる!「合理的配慮」を理解するには、多数派中心の社会がつくっているバリアに気づくことから。多種多様な人たちが力づけられ平等に生きられる社会へと変えていくための、大事な見方・考え方がこの一冊に!
目次
1 「社会モデルで考える」ためのレッスン(「特権」をもつ側であること;情報のバリアを放置してきた社会に気づく;「対話」はなぜ大事で、どんな時に難しいのか;文化的障壁(社会の慣行、価値観などのバリア)を考える
学びの場と合理的配慮1―学ぶ権利を保障する ほか)
2 「社会モデル」にまつわる個人史から(最初の出会い;なぜ人権教育に興味をもって進学したか;どうやって「社会モデル」を知り、納得したか;なぜ二〇〇六年夏に権利条約ができるところを見に行ったのか;なぜ「条例づくり」に興味を持ったのか(二〇〇八年秋の転機) ほか)
著者等紹介
松波めぐみ[マツナミメグミ]
1967年生まれ。2008年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。公益財団法人世界人権問題研究センター専任研究員(2008~2016)を経て、大阪公立大学、龍谷大学ほかで非常勤講師。2009年から「障害者権利条約の批准と完全実施をめざす京都実行員会」事務局員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう
6
社会モデルをエッセイで紹介する。 エッセイであるため、著者の考えや思い、わだかまり、後悔などが発生する経緯を、自分に思考発生するように読み進めることができ、表題のとおり社会モデルで考える「レッスン」につながっている感じがある。2024/09/24
tu-ta
2
「知的障害のある人の自立生活について考える会」のコーディネータ懇談会読書会の課題図書。かなり前に購入。置きっぱなしにしたりしながら、この日、読了。気になるのは「合理的配慮」の説明に環境調整を含めていること。これまで、その二つは違うものだったという認識だったが、どうも松並さんはあえてそのように説明している感じがある。聞いてみたい部分ではある。この本で読めてない部分にその説明があるかも。「合理的配慮(調整)」には対話が不可欠だが、環境調整の場合、対話抜きで行われることが多い、この違いは大きいと思う。2025/04/26
U-Tchallenge
2
「社会モデル」で考えるためのレッスンとして、さまざまな視点から考えることのできる内容である。「社会モデル」というのは耳にすることは増えたように思うが、まだまだその考えが理解されているとは言えない状況のように思う。それは自分も含めてである。「社会モデル」を理解すると環境により目が向くようになる。環境を調整することで「障害」が「障害」ではなくなることだってあるはずだ。本書は多くの者に手に取ってみてほしい、と強く思える一冊であった。2024/10/01
YASU
1
社会モデルについての解説署というよりも、その視点に基づいての合理的配慮や差別禁止についての実践的で体験的なエッセイ。ひろく人権を普遍化していく上でのキモが語られている。専門家が説明しておしまい、ではなく、社会一般がどう変わるかが大切、という姿勢が貫かれていて、わかりやすい。障害者分野のみならず人権啓発の研修に使える。おすすめ。2024/11/25
hirokoshi
0
「配慮=思いやりではない」、どうすれば周知させられるんだろう。24時間テレビに関わっている人の本を読んで、局としての矜持があるんだなあと見直したけど、情緒に訴えるところで停滞しているという印象は拭えない。もちろん人に行動を促すには心を動かすことが有効だと思うけど…。雑誌「月刊ヒューマンライツ」、サイトを見たら最新2025年5月号の特集が「行政による『人権侵害』を考える」で痺れる。これまでの特集も気になる事柄ばかりで、こういうテーマで最新の考え方に触れられるなんて…定期購読しちゃおうかな…。メモ:2025/05/21