内容説明
今、停止した景色の先に、グローバリゼーション、国際化、多文化共生といった物語を秘めた言葉の揺らぎ、亀裂が見え隠れしている。地理的に離れた空間が消費と市場の働きにより急速に関係付けられてきたこと、異なる文化の象表の形成は双方の歴史的・社会的要因によること、そして、互いの表象は表裏の関係にあること…これら三つのテーマを通じ、地方におけるトランスナショナルな空間を記述し、グローバリゼーションがもたらした空間の変容と、空間の表象に潜む意識を批判的に明らかにする。
目次
序章 停止した景色
第1章 この本について
第2章 彼らの見た景色
第3章 構造的移民
第4章 イメージとしての日本
第5章 イメージとしてのベトナム
第6章 二つの権利のために
著者等紹介
塩入すみ[シオイリスミ]
東京学芸大学教育学部卒業。大阪大学大学院文学研究科博士課程、台湾国立政治大学教育学系博士課程。文学博士(熊本大学)。熊本学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タロウ
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ベトナム技能実習生は都市に憧れ日本にやってきて、そこが田舎でもイメージとして都市なので彼らは満足していること、ただ差異への権利は認められず均一した労働者という立場しか得られない。それに耐えられなくなると失踪することもある。また、日本人はベトナム実習生のことを差別の対象として見て、彼らのことを子どもと呼ぶ。西欧を尊びアジアをけなす。ベトナム実習生は日本人に叱られないように、それを送り出し機関から教えられる。こうした構造があるなか実習生を迎えることは善なのか。労働力不足を補うだけの日本中心主義になってないか。2023/09/18
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