内容説明
さまざまな障壁、差別につきあたりながらも、障害のある人の産み育てる権利を現実のものとしてきた11の家族の物語。とまどいも、哀しみも、怒りも、そしてなにより子どもと生きる喜びを等身大の言葉でつづった、あとに続く人たちへの心からのエール!
目次
プロローグ―障害のある私たちの地域で出産、地域で子育て
イノチノチカラ
感動をありがとう!!
「ただのお母さん」になる日
ともに成長する喜び
子どもをつくり、育てる権利
夢がかなった瞬間
子どもとともに
カタツムリ
やんちゃな天使が舞い降りた
娘ちゃん、ありがとう
著者等紹介
安積遊歩[アサカユウホ]
ピア・カウンセリング等を使い、差別から立ち上がるためのエンパワメントを広く行っている。1956年福島県生まれ。生後40日目で骨形成不全症と診断される。22歳で親元から自立。アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受け、ピア・カウンセリングを日本に紹介
尾濱由里子[オハマユリコ]
相談支援専門員(障害者自立生活センター・スクラム)。1968年香川県生まれ。視覚障害(網膜色素変性症)、生まれつきのロービジョン(社会的弱視)で徐々に視力と視野を失う。2001年に歩行訓練等を行うため大阪のリハビリ施設に入所、その後自立し、事務の仕事をしながらピアカウンセリングを学び、現在の職を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yurikoany
3
下肢に不自由ある人の文だけ読了。 まぁ、期待したものではなかったかな。あくまで『子育てに関するエッセイを書いている人が実は障害を抱えていた』スタンスなので、具体的にどういうことに困ってこのように解決したみたいなものは事細かに書かれてはいなかった。 ただひとつ、『ただのお母さんになる日』は、子供の面倒を普通の人のように見られない葛藤が感じられて共感できた。 女に生まれたからには、子供を産み育ててみたいって言う動物的な欲求はある。でもやっぱり私には子供を産む経済力も環境もないから、踏み切れない。2020/08/13
あこぶ~
1
尾濱由里子さんの講演を聴く(オンラインで)機会に恵まれ、図書館予約。が、講演日に間に合わず、後追い(復習?)的に読みました。だけど聴講の後で良かった。リアル(オンラインだけど)の尾濱さんは、とても魅力的で、文章では(ごめんなさいだけど)そのお人柄や、伝えたい想いは汲み取れなかったかな。視覚障害者の記事は少なくて、よくある体験記だった、と感じてしまう自分の『慣れ』を反省もする。ただお一人、豊田三恵さんの手記に「息子をもう一度子宮に戻したいとさえ思った」という母親の『飢餓感』には、ハッとさせられました。2022/09/23