内容説明
宿敵ルーサーの策略により、かつてない絶体絶命の危機に追い込まれたスーパーマン。避け難い運命を覚悟した彼は、残された使命の達成に全身全霊で立ち向かうが…。現代のコミックスシーンを牽引する鬼才グラント・モリソンが、スーパーマンという最大のコミックアイコンを徹底的に再構築し、アイズナー賞に輝いた最高傑作、待望の邦訳!
著者等紹介
モリソン,グラント[モリソン,グラント] [Morrison,Grant]
出世作である『アニマルマン』と『ドゥーム・パトロール』の連載でアメリカでのキャリアをスタートさせ、以後、20年にわたってDCコミックスを中心に活動を続けている
クワイトリー,フランク[クワイトリー,フランク] [Quitely,Frank]
1968年にグラスゴーで生まれた。1988年以降、作品を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
G
10
神様が自分の死期を悟りながらも、自分の消えた世界を守ろうとする話。 スーパーマンに明るくない俺でも、これは間違いなく傑作だと思えた。ヒーローたちもヴィランたちですら「スーパーマンのいない世界」に様々な思いを巡らせている。神の不在はやはり動揺を与えるものなんだな。 巻末に「ヘラクレスの12の偉業」をモチーフとしたと書かれているが、スーパーマンは正に現代の神話なのだと感じた。2015/12/16
ほしけも
10
超人の終活。漫画部分だけでは理解できない部分があるので、コラムとかも必読なのがちょっと辛い。絶対的な力と、スーパーマンという存在のそのものの危うさを感じられる。同等の力を得てもスーパーマンのようにヒーローになるとは限らずむしろ独裁的独善的な恐怖の存在になってしまう。 ケントを小太りにしたのは素晴らしいと思います。2015/11/01
蛸
9
人であり神であるスーパーマンの最期。高潔な彼が死を目前にして成し遂げた偉業の数々を神話的、宇宙的なスケールで描いた大傑作。 線の強弱があまりない、バンドデシネ的な繊細さのあるアートがスーパーマンの最期に淡々とした高潔な静けさを与えている。現代的にアップデートされたキャラクターたちはとても魅力的(特にルーサー!)。SF的な仕掛けが散りばめられた話の展開も機知に富んでいて面白い。 情報量の濃さや、引用されるディティールのマニアックさが凄まじいにも関わらず、スーパーマン初心者も上級者も楽しめるバランスの作品。2019/07/22
真田ピロシキ
4
私はまずスーパーマンが嫌いなんだがよく知れば違うかもしれないと思って昔高い金を出して買った。大して変わらなかった。自分がスーパーマンを好かないのはよその星からやってきたら環境のおかげで超パワーを得られてヒーローという犠牲は払っているが何の努力もしてない点で、その点はルーサーやクリプトンの生き残りでフォローされてるが言い訳だなと。所詮植民地主義でナード白人男性のなろう系としか思わない。しかも死んでも伝説となって復活し永遠に残るみたいな感じでキモい。こんな幼稚な奴からいつ卒業するんだアメリカ人は。2024/02/25
kasukade
4
アメコミっぽくない絵柄(バンドデシネのメビウスっぽい)で描かれるスーパーマンの最後を描いた最高傑作!らしいが僕はスーパーマンをほぼ知らないので面白さの頂まで届かなかった。ただこの作品で描かれるスーパーマンとケントの違いは何もなくただドジを演じてせめて目の前の人々だけでも救いたいという気持ちに溢れた良作。もっとスーパーマンの作品読んでおけば良かったなと感じた次第です。2015/12/05