内容説明
見た!聞いた!走った!現役651号が語る開業、被爆、そして復旧。
目次
第1章 開業から被爆まで(はじめまして、路面電車651号です;被爆電車で知られています ほか)
第2章 原爆投下直後の様子(原子爆弾の投下;原爆の被害に遭った電車 ほか)
第3章 被爆からの復旧(路線の復旧と一番電車;路線の復旧 ほか)
第4章 戦後から現在まで(新しい電車たち;電車の受難時代 ほか)
著者等紹介
加藤一孝[カトウカズタカ]
1949年8月広島生まれ。高校教員を経て1980年から広島市こども文化科学館。2015年3月退職。広島市こども文化科学館元館長。現在、日本路面電車同好会中国支部代表、広島国際学院大学評議員、比治山大学講師等。日本物理学会・惑星科学会・日本書票協会・宮澤賢治学会など会員。1999年7月小惑星No.8087に「KAZUTAKA」と命名。天文・鉄道関係の著書あり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
40
原爆による広島電鉄の被害は想像以上のものだった。よくぞ復旧できたものと思う。被災状況を詳述した資料的価値も高い。被爆した651号車に語らせる形で話が進行していくが、60~61ページの見開き写真で見る限り、ここまで壊れた電車を復旧させ、しかも現在も走っているというのは奇跡としか言いようがない。本書の性質上、人的な被害や苦しみは書かれていないが、651号に当日乗っていて、命の助かった乗客はわずか1名だった、という事実も忘れるべきではないだろう。2018/07/08
俊介
13
広電。広島市内中心部を走る路面電車として有名だ。広島人にとっては空気のような存在(良い意味で)。もう100年以上の歴史を広島の大地に刻んでいる。当然、76年前の8月6日にも電車は運行していた。そして被爆した。本書はそんな広電の「被爆体験記」。著者の念入りな調査により、当時、どんな車両が存在し、どれほどの被害があったかが明らかになる。地元民以外ピンとこないであろうローカルネタは多いが歴史資料としてとても貴重だ。人的被害の話は殆ど出てこないが、こういう形で原爆の悲惨さを語り継いでいくことも大切なことだろう。2021/08/06