出版社内容情報
文学が荒廃した戦時下も、太宰は太宰であった。
人間の、もっと根深いところから滲み出た資質。
戦前、戦中、戦後の18篇。
「僕は本能的に、或いは肉体的に兵隊がきらいであった。」
内容説明
相手の人のけちな用心深さが悲しく、いよいよ世の中がいやでいやでたまらなくなります。戦後80年・昭和100年。文学が荒廃した戦時下も、太宰は太宰であった。人間の、もっと根深いところから滲み出た資質。戦前、戦中、戦後の18篇。
著者等紹介
太宰治[ダザイオサム]
小説家。本名津島修治。明治42年(1909)6月19日、青森県生まれ。津島家は地主。東京帝国大学仏文科中退。大正12年(1923)、貴族院議員だった父源右衛門死去、青森中学入学。中学時代は同人雑誌「蜃気楼」を発行。芥川龍之介や井伏鱒二の影響を受け、昭和2年(1927)に入学した弘前高校時代はプロレタリア文学へも傾斜。昭和5年に上京、非合法運動に関わったことで長兄文治に分家除籍され、バーの女給の田部シメ子と鎌倉の腰越で心中を図り、田部は死亡、自殺幇助罪に問われるも起訴猶予。昭和23年(1948)6月13日に山崎富栄と玉川上水で投身自殺を遂げ、遺体は39回目の誕生日に見つかった
村上玄一[ムラカミゲンイチ]
編集著、著述業、日本大学芸術学部文芸学科研究所元教授。昭和24年(1949)6月19日、宮崎市生まれ。高校時代に『太宰治全集』を購入、秘かに読む。日大芸術学部卒業後、日本地域社会研究所、読売新聞社、学習研究社、角川書店、ケイエスエス、エクシーズ、全通企画などで出版編集の仕事に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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