内容説明
偽善社会をこき下ろし、ディドロに「心臓に毛が生えている」と評された、人相不明の諷刺作家フジュレ・ド・モンブロン―エロティックな妖精物語『深紅のソファー』と遊女の成り上がりの物語『修繕屋マルゴ』、奔放不羈な旅人の紀行文学『コスモポリット(世界市民)』を収録。
著者等紹介
モンブロン,ルイ=シャルル・フジュレ・ド[モンブロン,ルイシャルルフジュレド] [Monbron,Louis‐Charles Fougeret de]
1706‐60。北仏ピカルディー地方ペロンヌ生まれのフランスの作家。平民の父親が一代で財をなしたために食うに困らず、ヨーロッパを放浪して暮らす。十八世紀文人の明るい社交性とは正反対の不機嫌な「人間嫌い」として知られ、「世界市民」を自称しながら、どこにもなじむことができない存在だった。十八世紀リベルタン文学の代表作『修繕屋マルゴ』、紀行文学『コスモポリット(世界市民)』などの著作がある
福井寧[フクイヒサシ]
1967年、青森市生まれ。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。東京都立大学人文学部研究科仏文専攻博士課程単位取得中退。モンペリエ第三大学でDEA取得。全国通訳案内士(フランス語・英語)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まどの一哉
2
思ったより全編艶笑文学で、読み進むうち、なぜ自分はこんなものを読んでいるのか不思議な気になる。 表題作「修繕屋マルコ」は恵まれた容姿を武器に、貧窮する身の上から娼婦としてのし上がっていく女性の物語。大枚を払ってでも彼女をものにしようと言い寄ってくる男たちのいかにバカで情けない連中かを歯に衣着せぬ毒舌でこきおろす。しかし高級役人や聖職者にこの手合いが多いのは、ことさら説明されなくとも容易に理解できて意外でもない話。2021/10/21
わす
1
『真紅のソファー』、醜さの特徴として巨乳があらわれ、主人公の性欲を萎えさせる。このお姫様の誘惑は痴女と言えなくもないが、化け物でもなければやらないほど逸脱した行為だったということだろう。『修繕屋マルゴ』、ペニスや睾丸を愛撫しても無反応なED男を蟻の門渡り〜前立腺マッサージを駆使して勃起させ手コキ射精へと持ち込む。多少ぼかされてはいるものの、当時としてはかなり精細な愛撫描写。2025/06/29
-
- 洋書
- Return to Me