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内容説明
退屈な生のいつ終わるともない寂寞のなか、空想が光輝の花を振り撤いた。夢みるような気分が胸内にただよい、生気あふれる芳香で心を誘い、蝕んだ。香りには、生気に渇えた胸さわぎの甘やかな毒が潜んでいた。生の豊穣と頽落、夢想の萌芽、成熟から破綻までを絢爛なアラベスクとして描きだした、世紀末デカダンスに先駆ける“幻滅小説”。リルケ、トーマス・マン、ヘッセ、ツヴァイク、ホーフマンスタール、ムージル、ジョイス、ルルフォを魅了した19世紀デンマーク文学の傑作長編。
著者等紹介
ヤコブセン,イェンス・ピータ[ヤコブセン,イェンスピータ] [Jacobsen,Jens Peter]
1847‐85。デンマークの詩人。北部ユラン地方リムフィヨルド沿岸の町ティステズに生まれる。コペンハーゲン大学で植物学を専攻、ダーウィンの主著を翻訳し、自然主義文学に接触。肺病を患い38歳で夭折するまで、郷里と旅先で病躯を養いながら創作に従事。長編『マリーイ・グルベ夫人』『ニルス・リューネ』のほか、短編6作と抒情詩を生涯のうちに残す。無神論的な自然観と彫琢を極めた造形的言語で異類の位置を築き、国内外のモダニズム芸術に広範な影響を及ぼした
奥山裕介[オクヤマユウスケ]
1983年、大阪府生まれ。大阪大学大学院言語社会研究科博士前期課程を経て、日本学術振興会特別研究員に採用。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。デンマークを中心に北欧文学を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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内島菫
星落秋風五丈原
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茅野
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