内容説明
ディケンズみずから朗読する「クリスマス・キャロル」「バーデル対ピクウィック」など人気を博した、“声に出して読みたい”ディケンズの代表的朗読作品5編を収録。
著者等紹介
ディケンズ,チャールズ[ディケンズ,チャールズ] [Dickens,Charles]
1812‐70。イギリスの国民的作家。二十四歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で十五編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した
井原慶一郎[イハラケイイチロウ]
1969年生まれ。広島県出身。鹿児島大学教授。専門は英文学、表象文化論。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
125
ディケンズは、自作品の朗読家でもあった。彼が朗読のために書き直した短編5つ。『クリスマス・キャロル』は最初に、そして最期に朗読された作品。後書きに書かれた彼の私生活を知っても、夢破れた結婚生活や他の人に愛情を寄せることで、彼の作品に溢れる普遍的な愛に感じる想いは変わらない。幼い少年が精一杯に示す愛とそれに対する父の振る舞いは、哀しくも微笑ましい。マリーゴールドの義理の娘への献身や漁師の娘への想いが、ディケンズが若い彼女に抱いたものだとしたら…。そうでなくても、そうでありたかったのかもしれないと思う。2020/03/04
まどの一哉
1
自作を朗読用に短く編集し、晩年に至るまで公開朗読公演を続けたディケンズ。朗読と言っても2時間以上一人でしゃべり続けるのだからたいへんだ。彼のようにもともと役者志望で人前に出るのが好きなタイプでないとやってられないだろう。 「クリスマス・キャロル」:メリハリがあって分かりやすい話なので、朗読にはぴったりの作品だ。 「デイヴィッド・コパフィールド」:夫思いのミコーバー夫人が才能ある夫をどうやって実業界で失地回復させるか、いろいろと策を挙げては自身で否定してゆくところが面白い。じつはすでに破産しているのだ。2020/01/01