出版社内容情報
文豪が病床生活での感情を余さず記した不朽の名作を、読みやすい大きな文字で。巻末には同郷の早坂暁の長編エッセイを併録。
正岡子規[マサオカ シキ]
早坂 暁[ハヤサカ アキラ]
内容説明
文豪が病床生活での感情を余さず記した不朽の名作を、読みやすい大きな文字で。巻末には同郷・松山生まれの脚本家・早坂暁が、正岡律に光を当てた長編エッセイを併録。『坂の上の雲』にも描かれた、その献身的な介護とは―。
目次
仰臥漫録
仰臥漫録 二
子規とその妹、正岡律―最強にして最良の看護人(早坂暁)
著者等紹介
正岡子規[マサオカシキ]
1867年(陰暦9月17日。陽暦10月14日)伊予温泉郡藤原新丁(現松山市花園町)生まれ。1883年、松山中学を中退し上京、須田学舎、共立学校に学ぶ。従弟・藤野古白と同宿。1884年、旧松山藩主の指定育英事業・常盤会の給費生となり、東京大学予備門に入学。1888年、横須賀、鎌倉で喀血。常盤会寄宿舎に入る。1889年、内藤鳴雪が舎監となる。夏目漱石と知り合う。喀血し子規と号す。1890年、文科大学(現東京大学文学部)哲学科入学。1892年、日本新聞社入社。1895年、日清戦争従軍記者として大連・金州へ派遣される。帰国の船中で喀血。1896年、結核性脊椎カリエスが判明。1901年『墨汁一滴』を日本新聞に連載開始。『仰臥漫録』を綴りはじめる。1902年、『病牀六尺』を日本新聞に連載。9月19日、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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漣
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妹の律さんの存在感が際立つ一作だった。治る見込みのない病、常に襲いかかる激痛に日々苛まれ、それでも病床で作品を生み出し日記を書き続けた正岡子規の精神力に圧倒される。その姿を律さんはどんな思いで見つめ、支えていたのだろう。私には想像もできない。2024/11/10
niki
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寝返りも打てない子規が毎日もりもり食べていることに驚く。 あまりの苦しさに「どうしよう どうしよう」と叫ぶ子規に息が詰まる。 読み切れるか自信がなかったが早坂暁さんの解説のおかげで完読。 子規よりも気になったのは子規の看護をした妹「律」。食事に包帯の交換に下の世話は勿論、子規の視界を考えながら庭も作ったのだろう。 子規が律に対して特に感謝している様子はない。 病人は日々衰弱し毎日包帯を交換する度に絶叫する。治ることはないとわかっている。律は何を支えに子規と向き合うことができたのだろう。 2022/06/25