内容説明
仕事部屋の愛用品、移りゆく季節、友人との語らい…哲学のエスプリと豊かな詩心で綴る円熟のパンセ。生誕百年、百の随想。晩年の文業を初集成。
目次
1(美しい夕映えの日;羅宇屋の汽笛 ほか)
2(贅沢な小包;往復書簡 ほか)
3(戦争との闘い;得難い表情 ほか)
4(音読;手放せない本は自分で ほか)
5(日曜日;時計 ほか)
6(抽斗の中の我楽多;考える掃除 ほか)
著者等紹介
串田孫一[クシダマゴイチ]
哲学者、詩人、随筆家。1915年11月12日、東京に生まれる。父は後に三菱銀行の会長を務めた串田萬蔵。暁星小・中学校、東京高等学校を経て、39年に東京帝国大学文学部の哲学科を卒業。フランスのモラリストを研究するかたわら、上智大学で論理学の講師を務め、疎開先の山形県新庄町で敗戦を迎え、帰京後は国学院大学、東京外国語大学などで教鞭を取る一方、哲学、人生論、詩、童話など、幅広い分野で精力的に執筆活動を展開、多くの読者を集めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わんつーろっく
15
哲学者であり、詩人、随筆家でもある著者を初めて知った。1915年東京生まれの著者が90年~2000年代の初期に書かれた随想で、単行本未収録のものを百編選んだ作品集である。関東大震災直後の東京の様子や戦前戦後の些細なことも、当時の日記から、まさに記憶の道草という随想。友達に貸した本に名刺が挟まれたまま、古本屋で売られていて、買い戻した顛末に苦笑い。それより見慣れない漢字表記が新鮮。(さほど)って然程、(やたら)は矢鱈、(まとも)は真面、区々って(まちまち)って読むんですね。(;'∀')2021/08/21
7kichi
4
ゆっくりと読んだ。いい随筆を読むと幸せな気分になる。2016/07/04