内容説明
ささやかな街の話題、人物の消息、そしてイラク戦争のこと…ニューヨークを愛しつづけた著者が、独自の視点でコラムを読み解く。
目次
1 「ニューヨーカー」を読む(ある家族の歴史;マフィアのホームドラマ;フセインの耳 ほか)
2 作家の肖像(再び姿を現したホールデン少年;カポーティ私見;アーウィン・ショーの素顔)
3 追憶のニューヨーク(マーク・クロスのバッグ;親しみやすいホテル;ニューヨーク日記 ほか)
著者等紹介
常盤新平[トキワシンペイ]
1931年岩手県水沢市(現奥州市)生まれ。小学校から高校まで宮城県仙台市で育つ。進学のため上京し、十年間の出版社勤務を経て1969年より文筆活動に。2013年1月22日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Happy Dragon 🐉
5
(^_^)v 雑誌ニューヨーカーの愛読者である著者のニューヨークのまつわるエッセイ。これほどまでに雑誌を好きな人がいるんだなぁと言うのが最初の感想。そして、ニューヨークの街を散策する著者は、雑誌同様にニューヨークにも魅せられた一人なんだろう。色々な人のニューヨークにまつわる書籍を読んでいる。十人十色でそれぞれのニューヨークが伝わってくる。それだけ、なんの偏見もなく、誰もを受け入れてくれるのがニューヨークなんだろうと、勝手に思えてしまう。この本もニューヨークの街に魅力される一冊です。 ありがとう! 感謝!2022/06/21
Satoru Moriaki
0
一度でもニューヨークを訪れたことのある人には凄く印象深い一冊になるのでは。もうニューヨークを訪れることのできない(これは著者の病状のゆえ?)現実を受け入れつつも著者は日本の書店で購入するニューヨーカー最新号を手にとり、その雑誌を通じて遠いニューヨークを知り、思いを馳せる。読み進めていくにつれ「もう訪れることのない」という表現の登場頻度が高くなる、非常に寂寞とした枯れた印象を感じさせつつも、静かに記憶をたどることの豊かさを知る。まだまだ老いる前に旅に出ようと思った。2018/10/30