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出版社内容情報
ドイツの富豪の跡継ぎが惨殺された。捜査にあたるのは過去の事件で心身に傷を負い、復帰したばかりのニエマンス警部。彼は新たな相棒とともにドイツに飛び、真相を追うが……。『クリムゾン・リバー』のニエマンス警部再登場! フランスの鬼才によるミステリ
内容説明
ドイツの富豪の跡継ぎがアルザスの森で惨殺された。捜査にあたるのは、ピエール・ニエマンス警視。前回の事件で心身ともに傷を負った彼は、ひさびさに現場に復帰したばかり。元教え子できわめて個性的なイヴァーナ・ボグダノヴィッチ警部補を新たな相棒に、ドイツに飛び捜査を進める。貴族としてシュヴァルツヴァルトに君臨する富豪一族にまとわりつく血の匂いは何なのか?フランスの鬼才が不穏な気配ただようドイツの森を舞台に、巧みに描いたサスペンス。映画化された『クリムゾン・リバー』待望の続篇登場!
著者等紹介
グランジェ,ジャン=クリストフ[グランジェ,ジャンクリストフ] [Grang´e,Jean‐Christophe]
1961年フランス生まれ。長篇『クリムゾン・リバー』(1998)はベストセラーとなり、映画化もされた。ほか精力的に作品を発表している
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生、早稲田大学文学部卒。中央大学大学院修士課程修了。フランス文学翻訳家、中央大学講師。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
75
犬嫌いの猟犬が被害者の属する一族の過去から連綿と続く暗部を嗅ぎつけて喰らいつく…一言で言うとそうなるがその殺害の陰惨さに裏付けを与える選民たちの狂った思考と、狩猟という虐待をスポーツとみなす彼らの嗜好の異質さがこの物語の狂気を露わにしている。そのうえ犬に怯え、時折狂ったように暴力性を発揮する主人公の尋常ではなく突っ走る様子にもその狂気の根本がどちら側により本質的に根付いているものか幻惑させられて、真相が明らかになった物語の中で、事件が曖昧に片付けられたように読み終わった自分自身唖然とした感じが拭えない。2020/09/17
ナミのママ
61
『クリムゾン・リバー』続編。グロテスクな殺人にセクシー場面も加わり、会話もお洒落。前作の最後で大怪我をした主人公のニエマンスが復活。あれ?元気ない?歳?と思ったが新しい相棒となった元教え子の若い女性イヴァーナとのコンビが対照的。これはこれでいい。事件はドイツの森。この場所の描写が丁寧で本筋とはまた別に良かった。日本では考えられない猟奇殺人と真相。やっぱり怖かった。2020/09/28
星落秋風五丈原
40
前作を読まずにいきなり読んだらえっニエマンスそんな事になってたのかい!そして生きてたんかい!とびっくりした。捜査官二人とも恋してますね。ニエマンス病的な犬嫌いの真相が明かされる。2022/01/04
ほちょこ
37
思えば思えば。前作クリムゾンリバーを読んでませんでした。でもなんのその。十分に楽しめました。ありがちな容疑者との勘違いロマンスや、何故かライバル視してしまうドイツ警察の表現やなにやら、全部ひっくるめてフランス的でした。2020/11/03
ばんだねいっぺい
35
今作は、あの映画にもなった「クリムゾン・リバー」の続編だが、猟奇趣味ないつものグランジェ色は健在だが、牽引する主人公となるニエマンスが、前事件の後遺症的な部分やらや老いやらでからっきし精彩を欠く。でも、そういう小説の作り方がなんだか、しみったれた方向へ行くが、北欧ミステリーのような人間的なリアリズムを感じて新しいなと思った。テレビドラマもぜひ、観てみたい。2020/09/22