内容説明
都バス、関東バス、京王バス、東急バス、西武バス、小田急バス、国際興業バス、めぐりん、あかいくつ、はとバスのピアニシモ2、千葉交通の高速バス、西鉄バスなどなど…ささやかな道草のスケッチ。書き下ろしエッセイ。
目次
森にいく
三つの席
よろける
雨上がりのバスは
四丁目から四谷へ
図書館まで
思い出経由、美容院いき
こんな偶然
浮き沈み
明暗ある道
著者等紹介
平田俊子[ヒラタトシコ]
1955年6月30日、島根県生まれ。詩人、小説家、劇作家。立命館大学文学部日本文学専攻卒業。83年「鼻茸について」その他の詩篇で現代詩新人賞受賞。84年の第一詩集『ラッキョウの恩返し』で注目される。98年『ターミナル』で晩翠賞受賞。2000年、戯曲「甘い傷」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。04年『詩七日』で萩原朔太郎賞受賞。05年、小説『二人乗り』で野間文芸新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaz
40
路線バス好きの著者によるエッセイ集。居住地近くを走る路線バスのエッセイもあり、楽しく読めた。路線バスは主に通勤で使っているが、終点まで乗っていくことなど考えたこともなかった。そんな私とは正反対に、ついフラフラとバスに乗ってしまう著者に、「案外面白いのかも」と思わされてしまった。手軽に小旅行ができると考えれば、違った世界に触れることができるかもしれない。頭から「オレには合わない」ではなく、「なんかオモロそう」という感性は持っておきたい。2019/01/28
きいち
21
いつものバス停で、ふらふらと知らない場所行きのバスに乗る。日常の移動から少し外れるこの「少し」って、ふつう暮らしてて絶対にやらない。これこそほんものの非日常。ラディカルな旅だ。◇ほとんどが東京西郊の住宅街を走る路線、名所も旧跡もなんにもない。乗客も普通の人だし、事件なんて起こらない。◇中でも、約束に遅れそうになってやきもきしながら、いいや、最後まで乗ってしまおうかなんて思ってしまう一本がとても気に入った。◇しゃんとした文章と素敵な造本。これだけ何も起こらない文章たちを丁寧に読ませる本づくりの工夫にも拍手。2014/02/18
きゅー
18
バスは嫌いだ。時間が読めないし、先支払なのか後支払なのかわからないし、前から乗るのか後ろから乗るのかわからない。しかし、どこに行くのかわからないことを楽しんでしまうのが平田俊子だ。そんな心の余裕と安定感を持ち合わせている彼女こそ素晴らしいと思う。路線バスだけではなく、高速バスで犬吠埼へ行ったり、夜行バスで博多へ行こうとしたり(実現できなかったけど)、彼女のバスの旅は終わらない。そして、一冊読み終えた頃には、なんとなくバスに乗りたくなってくる。たまにはバスもいいんじゃない、そんな気持にさせられるエッセイ。2015/07/31
kiho
18
バスから見える風景と世界、そしてバスの中の人間模様がほのぼのと描かれる☆何よりバスが好きな作者だからこそ、興味と愛情あふれる視線が感じられて自分もバスに乗ってる気分…タイトルも小気味いいです♪2015/01/23
やなぎ
13
バスにまつわるエッセイ集。日記みたいな印象も受ける。時々面白いフレーズが出てきて、噴き出す。僕は元路線バス運転士で、バスが好き。それに、かつて練馬区に住んでいて関東バスと西武バスにはよく乗った。山梨に住んでいたこともあって、「ほったらかし温泉」は知っている。他にも知っている固有名詞がたくさん出てくるのだから、面白いに決まってる。85点の高評価をつけるのは、僕だからだ。僕に読まれるために刊行されたに違いない。地図とかストリートビューを見ながら辿ってみたくなり、今度乗ってみたいと思わせられた。2017/03/17