感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shintaro
59
シャハトはナチス台頭期にライヒスバンク総裁、経済大臣を務めた。本作は賛否両論のシャハトの業績を洗い出す研究の書である。シャハトの成果としてはインフレの終息と雇用創出手形による失業の一掃である。新計画及びメフォ手形でナチス再軍備に資した。一方メフォ手形に上限を設定し際限ない軍拡に歯止めをかけたが、それによりヒトラーの不興を買いクビになる。またユダヤ人の私有財産没収には批判的だった。戦後ニュルンベルク裁判で無罪となり1970年に没した。ヒトラーの強みは、こうした優秀なテクノクラートを多数動員できたことにある。2018/06/17
レフ
0
一応、読んだことにしよう。2022/07/23
jntdsn13
0
ワイマール~NSDAP期のライヒスバンク総裁として有名なシャハトについて、著者の比較的最近の研究をまとめた本。著者の捉えるところでは、シャハトは奇跡の魔術師でもなければ、The 俗物というわけでもない、政治に疎いテクノクラートの銀行家とされており、バランスが取れているように思える。そして反ユダヤ感情を抱きながらも、「政治に対する経済の優位」という信念を軸にしてNSDAPのユダヤ人排除や無謀な政策に抵抗を試みた点は、もちろん批判はあれど保守的テクノクラートならではの一つの筋の通った生きざまにも見うる。2021/08/10
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