内容説明
猫を追いかけるうち、少女は一人の少年とその家族に出会った。表題作「竈さらえ」他、書き下ろしを含む全9編。『頼山陽』で第27回新田次郎文学賞を受賞した著者にしか書けない頼山陽をめぐる珠玉の物語。
著者等紹介
見延典子[ミノベノリコ]
1955年、札幌市生まれ。早稲田大学卒業。78年『もう頬づえはつかない』(講談社)を刊行。2001年『すっぽらぽんのぽん―頼山陽の母・梅〓(し)八十四年の生涯』(南々社)で第19回頼山陽記念文化賞受賞。08年『頼山陽』(徳間書店)で第27回新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ともさん
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頼山陽を全く知らない人でも問題なく読めます。それにしてもこの短編集、一つ一つは全然違う話なのですが、良い順番に並べてあるなあと思います。 後半4編はどれも良いのですが特に「焚書の海」と書き下ろしの「節」は心に残りました。2014/10/15
田舎っぺ狸
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見延典子の小説で頼山陽を知り,父春水を知り,母梅颸を知り,妻影梨も,平田玉蘊も,江馬細香も知ったので,頼山陽のイメージは彼女によって創られている。この短編小説集はこの「見延山陽」の住む時代と空気を読者にわかりやすく伝え,より山陽が親しみやすく感じられるようになっている。「節」が,二人の人間性がよく表されていて,おもしろかった。2014/12/16
児玉憲宗
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頼山陽を描いたというより、頼山陽のまわりにいた人、頼山陽が生きた時代を描くことで、人間・頼山陽を浮き彫りにした作品集といえる。 収められた9つの短編は、人情噺あり、官能的な小説あり、これが同じ作者の作品かと思うほどの変幻自在さ。読んでいて飽きない。2014/11/18